このページの要点
- 返金要求は、①特定継続的役務提供の該当性、②クーリング・オフ、③中途解約の精算、④誤認などによる取消し、⑤規約と個別の合意、の順に確かめる。
- 勧誘時の説明と違うという訴えは、特商法44条、消費者契約法4条(1項1号、3項5号・6号)、民法95条・96条が問題になる。説明の記録を残す。
- 成婚料や違約金は、規約の根拠、解除に伴う違約金の平均的な損害(消費者契約法9条1項1号)、契約を続けたまま科す違約金の過大性(同法10条、民法90条)、中途解約の上限(特商法49条2項)に限界がある。
- 個人情報の開示・削除は個人情報保護法33条〜35条、事業の終了・譲渡は特商法45条と民法539条の2・548条の4を確かめる。
トラブルのとき、規約と法律はこの順に使う。返金要求の筋道と、運営ができないこと
結婚相談所や婚活サービスで、運営者に寄せられる問い合わせで多いのは、返金や解約をめぐるものです。次いで、「担当者の説明と違った」という苦情、成婚料や違約金の請求への反発、会員情報の削除の求め、そして、運営者側の事情による事業の終了や譲渡への不安と続きます。これらは別々の問題に見えますが、対応の筋道には共通点があります。最初に、契約が特定継続的役務提供に当たるかを確かめ、当たるなら法定のルールを先に適用します。次に、法律が会員に認める取消しの主張の可能性を確かめます。そのうえで、規約の定めと、個別の合意を見ます。
反対に、最初から規約の返金条項だけを見て「返金できない」と答えると、法定の権利に反する対応になることがあります。特定継続的役務提供に当たる契約では、クーリング・オフと中途解約に関する会員に不利な特約は無効とされます(特定商取引法48条8項、49条7項)。規約の条項が、この法定のルールに抵触していれば、規約を理由に断ることはできません。
このページは、このガイドの各ページの論点を、会員から問い合わせや苦情を受ける場面の順に並べ直したものです。個別の論点の詳しい説明は、それぞれのページに譲り、ここでは「どの順で何を確かめるか」と「運営者ができること、できないこと」を整理します。全体の書類の地図は規約と書類の全体像のページにあります。
このページで確かめた条文
- 特商法 44条・45条不実告知・書類の備付け
勧誘の際などに不実のことを告げる行為は禁止されています(44条)。前払取引を行う事業者は、業務と財産の状況を記載した書類を事務所に備え置き、相手方は閲覧を求められます(45条)。
- 特商法 48条・49条クーリング・オフと中途解約
契約書面を受領した日から8日経過するまで、書面または電磁的記録で解除できます(48条1項)。その後も将来に向かって解除でき(49条1項)、請求できる額には上限があります(同条2項)。反する会員に不利な特約は無効です(48条8項、49条7項)。
- 消費者契約法 4条誤認・困惑による取消し
重要事項についての不実の告知(1項1号)などにより誤認して契約したときは取り消せます。結婚などの願望への過大な不安をあおる告知(3項5号)、好意の感情に乗じた告知(同項6号)も取消しの対象です。
- 民法 95条・96条錯誤・詐欺
法律行為の基礎とした事情についての認識が真実に反するとき(その事情が基礎とされていることの表示が必要)は取り消せます。詐欺・強迫による意思表示も取り消せます。
- 民法 548条の4・539条の2約款の変更・地位の移転
定型約款は、一定の要件のもとで、個別の合意なく変更でき、効力発生時期と内容を周知する必要があります(548条の4)。契約上の地位の譲渡は、相手方の承諾により移転します(539条の2)。
- 個人情報保護法 22条・33条〜35条消去・開示・訂正・利用停止
利用する必要がなくなったときは遅滞なく消去する努力義務(22条)。本人は保有個人データの開示(33条)、訂正等(34条)、一定の場合の利用停止等(35条)を請求できます。
いずれも e-Gov 法令検索(法令API)で確認した現行の条文です。
返金要求への対応の筋道:5つの段階で、上から順に確かめる
返金を求められたとき、運営者がすべきことは、いきなり金額を計算することではなく、どの法的な根拠で返金や解除が成り立つかを順に確かめることです。一つの段階で解決しなくても、次の段階で別の根拠が成り立つことがあります。
返金要求への対応の順序
- 契約が特定継続的役務提供に当たるか結婚を希望する者への異性の紹介を約束し、期間が2か月を超え、支払う金額が5万円を超える契約かを確かめます(特商法41条1項、施行令24条)。当たらなければ、第3段階以降へ進みます。判定の順序は該当性のページにあります。
- クーリング・オフの期間内か契約書面を受領した日から8日を経過していなければ、書面または電磁的記録による通知を発した時に効力が生じ、運営者は損害賠償や違約金を請求できません(特商法48条)。書面を交付していなかった場合は、8日の起算が始まっていない扱いになります。
- 中途解約として精算できるか8日経過後も、将来に向かっていつでも解除できます(49条1項)。請求できる額は、提供済みの役務の対価と、開始後は2万円または契約残額の20%のいずれか低い額(開始前は3万円)に、法定利率による遅延損害金を加えた額が上限です(49条2項、施行令30条・31条、別表第四)。算定はクーリング・オフと中途解約のページで整理しています。
- 誤認などによる取消しの主張はあるか勧誘の際の説明が事実と違っていた場合などは、消費者契約法4条や民法95条・96条による取消しが問題になります。取消しが認められれば、契約は初めから無かった扱いになり、受け取った対価は返す関係になります。
- 規約の返金条項と個別の合意上の段階で解決しない場合に、規約に定めた返金の条件、個別に約束した返金保証の条件を確かめます。広告や勧誘で述べた返金保証の条件は、契約の内容として扱われうるため、規約と食い違っていないかも確かめます。
特定継続的役務提供に当たる契約では、第1〜3段階の定めに反する会員に不利な特約は無効です。規約の返金条項を理由に、この法定の関係を変えることはできません。
この順序で確かめると、返金の根拠が会員からの主張として出てこない場合でも、運営者の側で整理ができます。会員が「返金してほしい」と述べただけの段階でも、運営者の側が、クーリング・オフの期間内か、書面を交付していたかを確かめ、期間内であれば、解除の方法を案内する対応が望ましいです。特商法48条の解除は、運営者の承諾を要しません。会員が書面または電磁的記録で通知を発した時に効力が生じるため、運営者が「規約により解除できません」と答えても、解除の効力は変わりません。
「担当者の説明と違う」と言われたとき:不実告知と取消し、記録の残し方
会員からの苦情で多いのが、「入会前に聞いた話と違う」という訴えです。説明の内容は、多くの場合、口頭で行われ、記録が残っていません。運営者は、事実を確かめる材料が乏しい中で、会員の主張に向き合うことになります。
法律上は、二つの根拠が問題になります。一つ目は、特定商取引法44条です。特定継続的役務提供の勧誘の際に、役務の内容や効果、対価、支払の時期と方法、提供期間、解除に関する事項などについて、不実のことを告げることが禁じられています。違反には罰則があります(70条1号。内容は成婚と成婚料・成婚退会のページで整理しています)。二つ目は、消費者契約法4条1項1号です。重要事項について事実と異なることを告げられ、それが事実であるとの誤認をして契約したときは、取り消すことができます。重要事項には、役務の質や内容、対価その他の取引条件が含まれます(同条5項1号・2号)。
さらに、消費者契約法は、結婚などの重要な事項に関する願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、合理的な根拠がないのに、契約が願望の実現に必要だと告げることについて、取消しを認めています(4条3項5号。社会生活上の経験が乏しいことから不安を抱いている場合に限られます)。勧誘を行う者に対して恋愛感情その他の好意の感情を抱き、同様の感情を抱いていると誤信していることを知りながら、これに乗じて、契約を締結しなければ関係が破綻する旨を告げる場合も、取消しの対象です(同項6号)。これらは、婚活サービスの勧誘で、特に注意が必要な類型です。
運営者としてできる対策は、説明の記録を残すことです。説明の際に使った資料、説明の項目、会員の質問と回答、会員が理解したことの確認を、面談の記録や同意書に残します。会員から苦情を受けたときは、担当者から事情を聞き、当時の記録を確認し、事実の認定と対応を分けて記録します。事実が確認できなかった場合でも、会員の言い分を否定するのではなく、確認できた範囲と確認できなかった範囲を伝えます。広告と勧誘と契約書面の一致については成婚率などの広告表示のページで整理しています。
書き方の例(一般的な例) 苦情への初期対応
受付
理由担当者本人が苦情の対象のときに、本人が回答すると、会員の不信が強まります。事実の確認は別の人が行います。
回答
理由規約の条項を示すだけの回答は、法定の権利を見落とす原因になります。
記録
理由後に争いになったとき、運営者の説明と会員の説明を比べる材料になります。
成婚料や違約金を請求するときの根拠と限界
成婚料や、会員が運営を通さずに交際を続けたときの違約金は、運営者が請求することが多い金銭で、会員が反発しやすい金銭でもあります。請求の根拠は、規約の定めです。会員が規約に同意したことを前提に、規約に書かれた事実が起きたときに、規約に書かれた金額を請求します。成婚の定義、金額、支払の時期、運営を通さずに交際を続けたときの扱いは、成婚と成婚料・成婚退会のページで整理しています。
限界は、主に二つあります。一つ目は、解除に伴う違約金の限界です。会員が契約を解除したときの違約金は、平均的な損害を超える部分が無効です(消費者契約法9条1項1号)。契約を続けたまま運営を通さない交際に科す違約金は、過大であれば同法10条や民法90条で効力が否定され得ます。特定継続的役務提供に当たる契約では、中途解約のときに請求できる額の上限がさらに法定されており(特商法49条2項)、規約の違約金がこれを超えていれば、超える部分を請求できません。二つ目は、成婚の事実の証明です。会員が成婚を申告しておらず、運営が交際の継続を疑うだけの場合、運営が請求するためには、成婚や規約違反の事実を運営の側で示す必要があります。会員のSNSなどから調べる行為は、会員の個人情報の取得に当たるため、規約とプライバシーポリシーで定めた範囲でしか行えません。
成婚料を請求する前に、運営者が確かめることは三つあります。規約に成婚の定義と成婚料の定めがあるか、会員が入会時にその定めを読める状態にあったか、請求する金額が、運営が実際に提供した役務と釣り合っているか。請求の通知は、規約のどの条項に基づくか、どの事実があったのかを明記した書面で行い、会員が説明を求めてきたときは、金額の算定の根拠を説明するよう努めます(消費者契約法9条2項)。
会員から個人情報の開示・削除を求められたとき
退会した会員や、苦情を申し入れた会員から、「自分の情報を消してほしい」「どんな情報を持っているか教えてほしい」と求められることがあります。個人情報保護法は、本人が識別される保有個人データについて、電磁的記録の提供などによる開示(33条)、内容が事実でないときの訂正・追加・削除(34条)、法律に違反して取り扱われているときの利用停止または消去(35条1項)、運営者が利用する必要がなくなったときなどの利用停止等(35条5項)を、本人が請求できると定めています。開示は、本人または第三者の権利利益を害するおそれがある場合や、業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合などは、全部または一部を開示しないことができます(33条2項各号)。
消去の請求に応じる場面では、二つのことを考えます。一つ目は、運営者の側に、保存を続ける正当な理由があるかです。契約の終了後に、苦情や紛争が起きたときに備えて、契約の記録や支払の記録を保存する必要があるかもしれません。ただし、利用目的の達成に必要な範囲を超えて保存を続けることは、利用する必要がなくなったときに遅滞なく消去する努力義務(22条)の観点からも見直しが必要です。保存の期間と範囲は、規約とプライバシーポリシーで、あらかじめ書いておきます。二つ目は、相手方の会員への影響です。退会した会員の情報を消去すると、相手方の会員が持っていた交際の記録や、運営が調べている苦情の対応にも影響しうるため、対応の記録は保存し、会員に見える情報だけを削除する運用が現実的な場合もあります。
会員の情報を相手の会員に見せる範囲、要配慮個人情報の扱い、委託先の管理は会員情報・プロフィール・写真のページで整理しています。苦情の処理については、個人情報取扱事業者が苦情の適切かつ迅速な処理に努め、そのために必要な体制の整備に努めることが定められています(40条)。窓口と手順を、規約またはプライバシーポリシーに書いておきます。
事業の終了・譲渡・長期休業のとき:前払いの会費と会員への周知
運営者が、事業を終了する、他の事業者に譲渡する、長期間休業するといった場合は、会員が前払いした費用と、会員への周知が最も大きな問題になります。結婚相談所は、会員から入会金や、一定期間の活動費を前もって受け取ることが多く、運営が止まれば、会員は役務を受けられなくなります。
前払取引に当たる場合(特定継続的役務提供に先立って5万円を超える金銭を受領するとき)、事業者は、業務と財産の状況を記載した書類を、事務所に備え置く義務があります。相手方の会員は、この書類の閲覧を求めることができます(特商法45条、施行令27条)。事業の継続性を会員が確かめる手段として、重要な書類です。書類の備付けと閲覧は概要書面・契約書面のページで整理しています。
事業の終了や休業のときは、会員の残りの契約期間に応じて、未提供の役務に相当する費用を返金することが基本になります。返金の方法と時期、会員への通知の方法と時期を決めて、通知します。通知の遅れは、会員の不信と苦情の原因になります。会員との契約の定めに、運営者の都合による終了のときの返金の条項を置いておくと、対応の根拠になります。
事業を他の事業者に譲渡するときは、会員との契約をどう引き継ぐかを決めます。契約上の地位を第三者に移すには、契約の相手方である会員の承諾が必要です(民法539条の2)。会員の個人データを譲受人に提供することは、事業の承継に伴う提供として、第三者に当たらないとされる扱いがあります(個人情報保護法27条5項2号)。ただし、利用目的の範囲を超えて、承継後に使うことはできません。会員への周知と、承諾を得る手続を、譲渡の計画に組み込みます。
規約を変更して、事業の終了や契約の引継ぎに対応する場合は、定型約款の変更の要件を満たす必要があります。変更が相手方の一般の利益に適合するとき、または契約をした目的に反せず、変更の必要性、内容の相当性、変更の定めの有無などに照らして合理的なときに限り、個別の合意なく変更でき、効力発生時期を定め、変更する旨と変更後の内容、効力発生時期をインターネットなどの適切な方法で周知しなければなりません(民法548条の4)。会員に不利益な変更は、特に慎重に扱います。
書類の見直しのチェックリスト:各ページの横断
トラブルが起きたときに慌てないために、書類を見直す視点を整理します。各項目は、それぞれの解説ページに詳しくあります。
入会契約と会員規約の見直しチェックリスト
- サービスの型(仲人型、データマッチング型、イベント型、アプリ型)を決め、約束する内容を書面にしたか(全体像)。
- 特定継続的役務提供に当たるか(2か月超・5万円超・異性の紹介)を判定し、記録したか(該当性)。
- 当たる場合、概要書面と契約書面、電磁的方法の承諾の手続、書類の備付けを用意したか(書面)。
- 費用の名目、総額、期間、更新と値上げの定めを、申込書・規約・料金表で一致させたか(費用)。
- クーリング・オフと中途解約の案内、精算額の上限を超えない定めを置いたか(解約)。
- 成婚の定義、成婚料、成婚退会の手続を書いたか(成婚)。
- 入会資格、独身証明の扱い、虚偽申告の措置を書いたか(入会資格)。
- 会員情報の取得項目、見せる範囲、保存と消去を、プライバシーポリシーと一致させたか(会員情報)。
- 禁止事項、通報から措置までの手順、免責の限界を書いたか(会員間トラブル)。
- アプリ型なら、異性紹介事業の定義への当てはめと、申込み画面の表示を確かめたか(アプリ)。
- イベントがあるなら、取消料の根拠と当日のルールを書いたか(イベント)。
- 広告の数字と体験談に、定義と根拠があるか(広告表示)。
よくある疑問と回答運営者からよくある疑問
クーリング・オフの期間が過ぎた後に、返金を求められたら断れますか?
断れるとは限りません。特定継続的役務提供に当たる契約では、期間経過後も、将来に向かって中途解約でき、運営者が請求できる額には法定の上限があります。未提供の役務に当たる部分は、上限の範囲で精算して返すのが基本です。
会員が連絡なしに活動をやめました。会費はそのまま請求できますか?
契約の定め次第ですが、会員が活動していないことは、役務の提供を受ける権利を放棄したことにはなりません。会員が解約を申し出ていない限り契約は続きますが、特定継続的役務提供に当たる場合は、会員はいつでも中途解約できます。休会の定めを置いておくと、運営と会員の双方に分かりやすくなります。
返金に応じると、他の会員にも示しがつかないのですが?
返金の判断は、他の会員との公平ではなく、法律上の根拠があるかで決まります。根拠があるのに断ると、行政の指導や、会員の取消しの主張につながります。根拠がない場合の任意の対応は、事情を踏まえて個別に決めます。
起きがちなこと
場面別・起きがちなこと
- 返金を求められて、規約の「いかなる理由でも返金しない」の条項を示して断る。契約が特定継続的役務提供に当たれば、その条項の効力は否定される。
- 契約書面を交付していないと、8日の起算が始まっていないと扱われ、時間がたってからクーリング・オフの通知が来ても、受け付けざるをえない。
- 担当者の口頭の説明が記録されておらず、「説明と違う」という訴えに、運営が事実を確かめる材料を持たない。
- 成婚料の請求書に、規約のどの条項に基づくか、どの事実があったのかが書かれておらず、会員が金額の根拠の説明を求める。
- 退会した会員の削除の求めを受けても、保存の期間と範囲の定めがなく、全部を消してよいのか、一部は残してよいのか判断できない。
- 事業の終了を決めても、前払いの費用の返金の方法と、会員への通知の時期が決まっておらず、通知が遅れる。
よくあるご質問
会員から返金を求められたとき、最初に何を確かめればよいですか?
最初に、契約が特定継続的役務提供に当たるか(結婚を希望する者への異性の紹介で、期間が2か月を超え、金額が5万円を超えるか)を確かめます。当たる場合は、契約書面を受領した日から8日を経過していないか(クーリング・オフ、特商法48条)、経過していても中途解約の精算額の上限の範囲で返金できないか(49条)を順に確かめます。そのうえで、誤認などによる取消し(消費者契約法4条、民法95条・96条)と、規約の返金の定めを確かめます。
担当者が入会前に伝えた内容と、実際のサービスが違うと言われました。どう対応しますか?
まず、当時の説明の記録(面談の記録、使った資料、会員の署名のある確認書など)を確かめ、担当者から別の窓口が事情を聞きます。説明が事実と異なる場合は、特商法44条の不実告知に当たるおそれがあり、消費者契約法4条1項1号による取消しも問題になります。事実が確認できないときは、確認できた範囲と確認できなかった範囲を、会員に誠実に伝えます。
成婚料は、必ず請求できますか?
請求できるのは、規約に成婚の定義と成婚料の定めがあり、その事実が起きた場合です。会員の解除に伴う違約金は、平均的な損害を超える部分が無効になります(消費者契約法9条1項1号)。契約を続けたまま科す違約金は、過大であれば同法10条や民法90条で効力が否定され得ます。特定継続的役務提供に当たる契約では、中途解約のときの請求額の上限(特商法49条2項)を超えて請求できません。請求にあたっては、根拠の条項と事実を明記した書面で通知します。
退会した会員が、自分の情報の削除を求めています。応じなければなりませんか?
個人情報保護法は、保有個人データについて、本人が法律に違反して取り扱われているときの利用停止・消去(35条1項)や、利用する必要がなくなったときの利用停止等(35条5項)を請求できると定めています。運営が保存を続ける正当な理由(紛争への備えなど)がある範囲では、消去しなくてよい場合があります。保存の期間と範囲を、あらかじめ規約とプライバシーポリシーに書いておき、請求を受けたら、遅滞なく対応の結果を通知します。
事業をやめることになりました。前払いされた会費はどうすればよいですか?
未提供の役務に相当する部分は、会員に返金するのが基本です。前払取引に当たる契約では、業務と財産の状況を記載した書類の備付けと閲覧の義務もあります(特商法45条)。返金の方法と時期、会員への通知の方法と時期を決めて、早めに通知します。事業を他の事業者に譲る場合は、契約上の地位の移転に会員の承諾が必要です(民法539条の2)。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、サービスの仕組みや契約の内容によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会 / 警察庁