結婚相談所・婚活サービスを運営する方へ入会契約から退会まで、
約束と書類を整える
結婚相談所や婚活サービスの入会契約は、ほかの会員制サービスと違って、「結婚を希望する者への異性の紹介」という、特定商取引法が定める7つの役務の一つに当たる場合があります。契約期間が2か月を超え、支払う金額が5万円を超えると、契約前の概要書面、契約後の契約書面、8日間のクーリング・オフ、いつでもできる中途解約と精算額の上限といった決まりが加わります。このガイドは、その当てはめの順序を条文で確かめたうえで、入会金・月会費・成婚料の定め方と表示、入会資格と独身証明、会員情報の扱い、会員どうしのトラブル、オンライン・アプリ型の規制、婚活イベントの参加規約、成婚率などの広告表示を、規約の書き方に沿って整理した解説集です。結婚相談所や婚活パーティー、婚活アプリ、婚活コンサルを始める方、すでに運営していて入会申込書や会員規約を見直したい方、本部や連盟の規約をそのまま使ってよいか確かめたい方が、テーマごとに確かめられるようにまとめています。
結婚相談所・婚活サービスを始める方

サービスの型で、約束と当たる法律が変わる
仲人・カウンセラー型、データマッチング型、パーティー・イベント型、アプリ型、婚活コンサル型と、婚活サービスにはいくつもの型があります。型によって、運営者が会員に約束する中身も、当たる法律も変わります。
入会申込書、会員規約、概要書面、契約書面、プライバシーポリシー、同意書と、必要になる書類は多く、優先関係も決めておく必要があります。最初に書類の地図を描きます。
特定商取引法の対象か確かめたい方

期間2か月超・5万円超の判定と、当たらない売り方
「結婚を希望する者への異性の紹介」は、特定継続的役務提供に当たる役務の一つとして政令に挙げられています。契約期間が2か月を超え、支払う金額が5万円を超える契約が対象です。
異性の紹介を伴わない助言型のサービスや単発のイベント、期間と金額が下回る契約は当たりません。売り方を混ぜるときの判定の順序を、条文で確かめます。
費用の定め方と表示を整えたい方

入会金・月会費・成婚料と、総額・更新・値上げの表示
入会金、登録料、月会費、お見合い料、成婚料、オプションと、費用の名目は多岐にわたります。それぞれが何の対価かを書き分け、総額と期間を会員に分かるように示します。
自動更新や期間の延長、値上げの通知、分割払いを使う場合の入口も、あらかじめ決めておきます。
解約・返金・成婚料を決めたい方

8日間のクーリング・オフと、中途解約の精算額の上限
特定継続的役務提供に当たる契約には、契約書面を受け取った日から8日間のクーリング・オフと、その後もいつでもできる中途解約があります。精算額の上限は、条文と政令で決まっています。
「いかなる理由でも返金しない」といった一律の定めは、その効力が認められない場合があります。成婚料や成婚退会の定めも、成婚の定義から決めます。
会員情報と会員間の問題に備えたい方

入会資格・独身証明・会員情報の見せ方・連絡先交換
独身であることの確認、年齢や本人確認、虚偽申告への対応、相手の会員に見せる情報の範囲、退会後の保存まで、婚活に固有の取扱いを規約とプライバシーポリシーで決めておきます。
連絡先交換のルール、金銭の貸借や投資・宗教の勧誘の禁止、スタッフと会員の私的な関係など、会員間のトラブルへの備えも欠かせません。
アプリ・イベント・広告表示を整えたい方

インターネット異性紹介事業の入口と、成婚率などの表示
婚活アプリや会員サイトでは、インターネット異性紹介事業の届出、児童でないことの確認、月額課金の表示が問題になります。該当するかどうかは、サービスの実態で決まります。
婚活パーティーなど単発のイベントの参加規約、成婚率・会員数・口コミの広告表示も、誇大広告や有利誤認にならない書き方があります。
このガイドの解説ページ
よくあるご質問
結婚相談所の入会契約は、特定商取引法の対象になりますか?
「結婚を希望する者への異性の紹介」は、特定継続的役務提供の一つとして政令に挙げられています。契約期間が2か月を超え、支払う金額が5万円を超える契約が対象です。異性の紹介を伴わない助言型のサービスや、単発のイベント、期間と金額が下回る契約は当たりません。入会金や成婚料などをどこまで金額に数えるかは、条文の文言と所管官庁の資料で確かめる必要があります。
対象になると、どんな書面と決まりが加わりますか?
契約を結ぶまでに概要書面、契約後に遅滞なく契約書面を交付する義務があり、契約書面を受け取った日から8日間は書面または電磁的記録でクーリング・オフができます。それ以後も、将来に向かっていつでも中途解約でき、運営者が請求できる額には上限があります。誇大広告や不実告知の禁止、前払取引の書類の備付けも加わります。
中途解約のとき、運営者はいくらまで請求できますか?
役務の提供の開始後は、提供した役務の対価に、解除によって通常生ずる損害の額として政令で定める額を加えた額が上限です。結婚を希望する者への異性の紹介では、その額は2万円と契約残額の20%のいずれか低い額です。開始前は、契約の締結と履行のために通常要する費用の額として3万円が上限です。これより高い額を請求できる特約は無効とされます。
独身証明書は、運営者が会員の代わりに取れますか?
戸籍に記載されている人以外の請求は、戸籍法で限られた場合にしか認められません。そのため、独身証明など戸籍に関する書類は、会員本人が取得して提出する構成にするのが基本です。提出を受けた書類は、利用目的を示したうえで、保管の方法と退会後の消去も規約とプライバシーポリシーに書いておきます。
婚活アプリは、インターネット異性紹介事業の届出が必要ですか?
この法律の事業は、面識のない異性との交際を希望する人の求めに応じ、情報を公衆が閲覧できる状態に置いて、相互に連絡できるようにする役務です。結婚を目的としたサービスがこれに当たるかどうかは、サービスの仕組みと事実で決まります。当たる場合には届出や、児童でないことの確認などの義務があるので、まず定義と仕組みを照らし合わせます。
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運営事務所・ご相談のご案内監修:アトラス行政書士法人(代表社員 荒木素子・特定行政書士) 最終確認日:2026年10月15日