成婚と成婚料・成婚退会の定め方:定義・申告と確認・外での交際・成果の非保証

成婚料の争いの多くは、「成婚」の意味が決まっていないことから生じます。定義、申告と確認、退会日、金額と期限を順に決め、運営を通さない交際への備えは損害に応じた形で書きます。

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「結婚を意識した関係」を成婚と書くと、会員は請求を受けた時点で「そこまでの意味とは思わなかった」と争えます。

このページの要点

  • 成婚の定義は、申告と確認、または婚姻という客観的な事実で特定し、規約と契約書面の費用欄に同じ内容を置く。
  • 申告の期限・方法、双方の申告が食い違ったときの手順、成婚の確認から退会日までの費用を、日付と結びつけて書く。
  • 運営を通さない交際への違約金は、成婚料と同額の定額にせず、損害に応じた賠償と成婚に至ったときの成婚料に分ける(民法420条。過大な額は消費者契約法10条、民法90条)。
  • 成婚の保証をしないと書いても、勧誘で「必ず」と言えば不実の告知(特商法44条)。説明・広告・書面を揃える。

結論:「成婚」の定義と確認の方法を先に決めてから、成婚料と退会の条項を書く

成婚料は、結婚相談所の料金の中で、最も争いになりやすい費用の一つです。理由は単純で、請求の根拠になる「成婚」という出来事が、運営者の目の届かないところで起き、しかも言葉の意味が人によってばらばらだからです。会員は「真剣に交際を始めたこと」を成婚と思い、運営者は「入籍が決まったこと」を成婚と考えていると、成婚料を請求する時点でぶつかりやすくなります。

規約で先に決めておくことは、次の五つです。この順番に、条項を組み立てると、後から足りない部分が見つかりにくくなります。

成婚料と成婚退会の条項を組み立てる順序

  1. 成婚とは何かを定義する婚約、結婚を前提とした真剣な交際の合意、入籍など、どの出来事をもって成婚とするかを一つに絞って書く。
  2. 申告と確認の方法を決める誰が、いつまでに、どの方法で成婚を申告するか。運営者はどう確認するか。双方の申告が食い違うときはどうするか。
  3. 成婚退会の手続を決める成婚の確認から退会日まで。退会日までの活動の扱いと、退会後の連絡先の扱い。
  4. 成婚料の金額・発生時期・支払期限を決める成婚料が何の対価かを書き、いつ発生し、いつまでに支払うかを明らかにする。
  5. 運営を通さない交際への備えを決める紹介後に運営の外へ移った交際の扱い。連絡先交換の禁止と、その違反の効果。

成婚料は報酬の一種ですから、契約の性質(準委任)の整理と、民法の報酬の規定との関係も確かめます。以下で順に説明します。

このページは、成婚料を受け取る形の運営(成功報酬型、または入会金・月会費と成婚料の併用)を前提に、成婚料と成婚退会の定め方を説明します。費用の名目の書き分けと総額の表示は入会金・月会費・お見合い料・成婚料の定め方と表示で、契約を途中でやめる場面の精算はクーリング・オフと中途解約で扱います。ここでは、「成婚」という出来事を基点にした設計に絞ります。

条文は、民法、消費者契約法、特定商取引法について、e-Gov法令検索(法令API)で現行の規定を確認しています。成婚料が特定継続的役務の「金額」の判定にどう入るかなど、条文だけでは決まらない点は、断定せずに所管官庁の資料で確認が必要な点として書きます。

成婚の定義:何が起きたら成婚とするか

成婚の定義には、実務でよく見られる型がいくつかあります。それぞれに、確認のしやすさと、争いになりやすい点があります。

成婚の定義の型と、それぞれの特徴

定義の型確認のしやすさ争いになりやすい点向く運営
入籍(婚姻の届出)をしたとき婚姻の事実は明確だが、運営者が確認する手段が限られる入籍まで長くかかると、退会後に成婚料の請求が遅れる。会員が申告しない場合、気づけない入籍まで運営が関与する運営
婚約が成立したとき婚約指輪の受け渡し、両家への挨拶など、事実の目安を書ける「婚約」の意味が人によって違い、口約束で足りるかが曖昧になる婚約までを活動の区切りとする運営
結婚を前提とした交際(真剣交際)に入る旨を双方が運営に申告したとき運営への申告という形で記録が残る申告後に交際が解消されたときの成婚料の扱いが曖昧になる。申告の取り消しをどうするか交際の段階ごとに運営がサポートする運営
運営が「成婚」と判断したとき運営の裁量が大きい会員から見て、いつ成婚料が発生するのか予測できず、一方的な定めと評価されやすいいずれの型でも、単独では避けるのが安全

定義は、会員が読んで同じ出来事を思い浮かべられる程度に具体的に書きます。「結婚を意識した関係になったとき」のような表現は、内容が曖昧で、運営者の判断で成婚料を請求する根拠になるように読めてしまいます。たとえば、次のように、客観的に確認できる事実を並べる形が、争いを減らします。

書き方の例(一般的な例) 成婚の定義

成婚の意味

よくある書き方「成婚」とは、会員が相手方との間で結婚を意識した交際に至ったときをいう。
整えた書き方「成婚」とは、次のいずれかをいう。(1) 会員と相手方が婚姻する旨を合意し、その旨を当社に申告して当社が確認したとき。(2) 会員が当社を通じて紹介を受けた相手方と婚姻したとき。

理由何をもって成婚とするかを、会員の主観でなく、申告と確認、または婚姻という客観的な事実で特定する。

申告

よくある書き方会員は、成婚したときは、速やかに当社に連絡する。
整えた書き方会員は、成婚に至ったときは、その事実が生じた日から○日以内に、所定の方法で当社に申告する。

理由申告の期限と方法を書き、申告漏れと遅れを、後から問題にできるようにする。

食い違い

よくある書き方(定めなし)
整えた書き方会員と相手方の申告が一致しないときは、当社は、双方に事実関係を確認し、その結果を踏まえて成婚の有無を判断する。当社の判断に会員が異議を述べるときは、その理由を書面で示す。

理由双方の申告が食い違った場面の手順を書き、判断の一方的な印象を弱める。

定義を決めたら、成婚料の請求の根拠として、規約と契約書面の両方に同じ定義を置きます。規約にだけ定義があり、申込書や契約書面の費用の欄に「成婚料」とだけ書かれていると、会員が成婚料を成婚の定義と結びつけて理解しないまま契約することになります。

成婚の申告・確認と、成婚退会の手続

定義を決めても、実際の運用の手順がないと、成婚料の請求が会員との間で事実上止まります。申告から退会までを、次のような流れで書いておくと、会員にも担当者にも分かりやすくなります。

成婚の申告から退会までの流れの例

  1. 会員が成婚を申告する所定の方法(フォーム、書面、担当者への連絡など)で、成婚に至った事実と日付を申告する。
  2. 運営が事実を確認する会員本人と、必要に応じて相手方の会員に事実関係を確認する。相手の情報をどこまで伝えるかは、個人情報の扱いと合わせて決める。
  3. 成婚の確認と通知運営が成婚を確認し、その結果と成婚料の額、支払期限、退会日を会員に通知する。
  4. 成婚料の支払い通知で示した期限までに、成婚料を支払う。支払方法と、期限に遅れたときの扱いを書く。
  5. 成婚退会退会日をもって契約が終了する。退会日までの活動、退会後の連絡先の削除や保存の扱いを書く。

相手方の会員への確認は、第三者の個人情報にも関わります。確認の範囲と、会員への開示の範囲は、会員情報・プロフィール・写真の個人情報の考え方に沿って決めます。

成婚退会の条項で見落とされやすいのは、退会日までの扱いです。成婚の申告後も、退会日まで他の会員の紹介やお見合いの設定を続けるのか、直ちに止めるのか。月会費を退会日まで払うのか、成婚の確認日で日割りにするのか。これらは費用に直結するので、「成婚の申告をした日から、新たな紹介は行わない」「月会費は退会日の属する月の分まで」というように、日付と費用を結びつけて書いておきます。

また、成婚の確認が遅れている間に、会員が「成婚退会したのだから、これ以上は払わない」と主張する場面もあります。成婚料の発生時期と、退会が確定する時期を一つの条項にまとめ、どちらが先に起きるかによって扱いが変わらないよう整えておきます。

成婚料の根拠:報酬の性質と、条件の成就の妨害

結婚相手紹介の契約は、一般に、紹介やお見合いの設定、助言などの事務を行うことを引き受ける準委任(民法643条・656条)の性質を持つ契約として整理されることが多いといえます。民法648条1項は、受任者は特約がなければ報酬を請求できないと定め、報酬は特約で定めることになります。さらに、同条2項は、報酬は事務を履行した後でなければ請求できないとし、期間によって報酬を定めたときは、期間が経過した後に請求する扱い(民法624条2項の準用)をとります。月会費などの期間を単位にした報酬と、成婚料のような結果を基準にした報酬が併用されるのは、この特約の組み合わせです。

結果に報酬を結びつける契約は、民法648条の2が定める「成果等に対する報酬」とも関係します。委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合です。ただし、成婚は、運営者が引き渡すことのできる「成果物」ではなく、会員の意思決定にも大きく左右される出来事です。そのため、結果を保証する契約ではなく、成婚という事実が生じたときに報酬が発生する、という条件付きの報酬の形で定めておくと、契約の性質の面でも整理しやすくなります。

条件付きの報酬には、民法130条が関わります。同条1項は、条件が成就することによって不利益を受ける当事者が、故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができると定めています。成婚料を免れる目的で、成婚の事実を隠して退会する場面で、この規定の趣旨が問題になり得ます。ただ、どのような行為が故意の妨害に当たるのか、会員の意図をどう証明するのかは、事実関係によって大きく変わります。規約では、この民法の規定に期待するのでなく、申告の義務、運営を通さない交際の禁止、一定期間の成婚の確認という形で、具体的に書いておくのが現実的です。

成婚料の金額と支払時期は、次の点を書いておくと、請求のとき会員との認識が揃います。

  • 金額:いくらか(消費税を含む総額で示す)。成婚の定義のどれに当たるかによって金額が変わるなら、その区別。
  • 発生時期:成婚の申告時か、運営による確認時か、入籍時か。
  • 支払期限:通知を受けてから○日以内、など日数で明記する。
  • 支払方法と、期限に遅れたときの遅延損害金の有無。遅延損害金の定めは、消費者契約法9条1項2号の制限を超えない範囲で書く。
  • 成婚後に破談になったときの扱い:成婚料を返還するのか、返還しないのか。

最後の「成婚後に破談になったとき」は、書かれていないことが多い点です。成婚の定義を婚約や入籍にすれば、その後の破談は成婚料の請求の妨げにならないと整理しやすくなります。「結婚を前提とした交際の申告」を成婚とする定義にすると、その後の交際の解消と成婚料の関係を、別に書く必要が出てきます。いずれの場合も、会員が契約の時点で理解できるよう、契約書面の費用欄に同じ内容を添えます。

運営を通さない交際と連絡先交換:禁止・違約金の限界

結婚相談所の規約には、「運営の紹介で知り合った相手とは、運営を通さずに交際しない」「連絡先の交換は、運営が定める段階に達してから行う」「違反したときは、成婚料相当額を違約金として支払う」といった条項がよく置かれます。成婚料の請求を確保するための条項ですが、書き方を誤ると、条項の一部が効力を失い、規約全体への信頼も損ないます。

まず、民法420条は、当事者が債務不履行について損害賠償の額を予定でき(1項)、違約金は賠償額の予定と推定される(3項)と定めています。したがって、違約金の条項そのものを置くことはできます。ただし、契約を続けたまま違反に科す違約金は、消費者契約法9条1項1号(解除に伴う違約金の制限)の直接の対象ではありません。過大な額は、同法10条や民法90条によって効力が否定されるおそれがあります。他方、違反を理由に契約を解除して違約金を請求する形にすると、9条1項1号により、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分は無効となります。

成婚料相当額の全額を、運営の外で交際した場合の違約金とする条項は、これらの観点から検討が必要です。運営を通さず交際しても、成婚に至らなければ運営者に成婚料は発生しないはずです。違約金が成婚料と同額の定額になると、実際に生じる損害を超えて見えます。損害として説明できるのは、紹介や調整に実際にかかった費用や、本来得られたはずの成婚料の逸失などですが、これらを平均的な損害の範囲として示せるかが問われます。

書き方の例(一般的な例) 運営を通さない交際の条項

禁止の範囲

よくある書き方会員は、当社の紹介で知り合った相手と、当社を通さずに交際してはならない。
整えた書き方会員は、当社が定める段階に至るまで、紹介を受けた相手方の連絡先を、当社を通さずに交換してはならない。交際の進行は、当社所定の方法で当社に報告する。

理由交際そのものの禁止でなく、連絡先交換と報告の手順を定める。会員の私生活への過度な介入になる書き方を避ける。

違反の効果

よくある書き方違反したときは、成婚料相当額を違約金として支払う。
整えた書き方違反により当社が紹介の調整に要した費用その他の損害が生じたときは、会員はその損害を賠償する。また、違反により成婚に至った場合は、成婚料の定めを適用する。

理由損害に応じた賠償と、成婚に至ったときの成婚料という、二つの根拠に分ける。

調査・確認

よくある書き方当社は、必要に応じて会員の交際状況を調査できる。
整えた書き方当社は、成婚の確認のため、会員に対し、交際の状況に関する報告を求めることができる。会員は、事実に基づいて報告する。

理由調査権でなく報告を求める形にして、プライバシーへの介入が過大にならないようにする。

運営が外での交際をどう知るのか、という実務の問題もあります。他の会員からの通報、会員自身の申告、SNSの投稿などが端緒になりますが、運営者が会員の私的な連絡を探ることは、プライバシーの面からも避けるべきです。規約では、探る権限でなく、報告義務と、事実が分かったときの手順を書いておく方が、実際に使える条項になります。

成果は保証できない:非保証の書き方と、保証と読まれる説明

特商法41条2項は、特定継続的役務の要件の一つとして、役務の性質上、その目的が実現するかどうかが確実でないものであることを挙げています。結婚を希望する者への異性の紹介が政令で指定されているのは、結婚の成立が確実でないという性質を持つからです。したがって、結婚相談所の契約では、成婚を保証しないことは、サービスの性質に沿った当然の書き方です。

一方、書き方には注意が必要です。契約の書面で「成婚を保証しません」と書いていても、勧誘のときの説明や広告で、「必ず成婚できます」「○か月で結婚が決まります」と言えば、特商法44条1項が禁じる不実の告知(役務の効果など)に当たるおそれがあります。この禁止に違反した者には、70条1号により、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり)が定められています。民事の面でも、消費者契約法4条1項1号は、重要事項について事実と異なることを告げて誤認させた場合に、契約の申込みを取り消せると定めています。

確認の問いと理由成果の非保証を書くときの確認項目

  1. 勧誘のときの説明が、書面の非保証と矛盾していないか

    書面に「保証しない」と書いても、説明が逆なら、説明のほうが問題にされる。担当者の説明の言い方を揃える。

  2. 広告の成婚率や実績の表示が、契約の説明と整合しているか

    数字の表示は成婚率・会員数・口コミの広告表示で扱う。算出根拠を保存し、一般の会員に当てはまる印象を与えない書き方にする。

  3. 免責の条項が広すぎないか

    消費者契約法8条1項1号は、事業者の債務不履行による損害賠償責任の全部を免除する条項を無効とする。「当社は一切責任を負わない」は避ける。

  4. 努力義務の範囲を具体的に書いたか

    紹介の人数・頻度、お見合いの設定、助言の内容など、運営者が約束できる事務を具体的に書くと、保証と非保証の線が明確になる。

非保証の条項は、運営者が約束する事務の範囲を明らかにすることでもあります。「結果は保証しない」だけを書くと、会員から見れば何を約束してくれるサービスなのかが分からず、規約全体が責任回避の文書に見えます。紹介の人数、お見合いの設定、プロフィールの確認、助言といった提供する事務を具体的に並べたうえで、結果としての成婚は保証しない、と書く方が、条項の評価も安定します。

成婚料と、中途解約・休会・期間満了との関係

成婚料の条項は、解約の精算の条項と重なる場面があります。契約が特定継続的役務提供に当たるときは、クーリング・オフと中途解約の規定が働き、規約でそれより会員に不利に変えることはできません(特商法48条8項、49条7項)。そのうえで、成婚料との関係では、次の点を整理しておきます。

一つは、成婚による退会が、中途解約の「解除」に当たるのか、契約の目的を果たしたことによる終了なのか、という整理です。条文だけで決まる問題ではなく、所管官庁の資料や解釈を確認すべき点です。このガイドでは、規約で終了の事由を区別して書く設計を勧めます。成婚による終了では、成婚料と、退会日までの期間に応じた費用のみを精算の内容とし、中途解約のときの精算(提供済みの対価と上限額)とは別の条項に置く、という分け方です。

二つ目は、成婚料と、中途解約の上限の計算の関係です。契約残額や、提供された役務の対価に成婚料を含めるかどうかは、特定継続的役務の「対価」の範囲の問題として、名目でなく実質で判断されます。条文には、成婚料を除く、含むという定めはなく、所管官庁の解釈の確認が必要です。したがって、このガイドは、含まれると断定しません。契約書面で、成婚料が何の対価かを書き分けておくことが、いずれの解釈でも対応できる書き方になります。

三つ目は、休会です。休会中に成婚した場合の扱い、休会中の相手方の紹介を止めている間に、会員が外で交際を始めた場合の扱いを、休会の条項に書いておきます。休会の期間、休会中の費用、再開の手続は、会員ごとの個別の事情に合わせるのでなく、規約で一律に定めます。

四つ目は、期間満了です。契約期間が満了して更新しなかった会員が、その後、満了前に紹介を受けた相手と成婚した場合に、成婚料を請求できるのか。請求を残すなら、「契約が終了した日から○か月以内に成婚に至ったとき」といった期限を置くのが、会員にも予測しやすい書き方です。期限のない請求は、会員の側から見て、いつまでも成婚料の請求が来る可能性を残す条項に見えます。

書き方の例成婚退会と成婚料の条項の例

  1. 本規約において「成婚」とは、会員が、当社を通じて紹介を受けた相手方との間で、婚姻する旨を合意し、その旨を当社に申告して当社が確認したとき、または当該相手方と婚姻したときをいう。
  2. 会員は、成婚に至ったときは、その事実が生じた日から○日以内に、所定の方法で当社に申告しなければならない。
  3. 当社は、前項の申告を受け、成婚を確認したときは、会員に対し、成婚料の額、支払期限および退会日を通知する。会員は、通知された期限までに成婚料を支払う。
  4. 会員は、成婚の確認の日から退会日までの間、当社が新たな紹介を行わないことを了承する。月会費は、退会日の属する月の分まで支払う。
  5. 会員が前項の申告をせず、または虚偽の申告をした場合において、成婚の事実が確認されたときは、当社は、会員に事実を確認する機会を与えたうえで、本条の定めを適用する。
  6. 当社は、会員または相手方の成婚その他の結果を保証しない。ただし、当社は、本契約に定める紹介、お見合いの設定、助言その他の事務を、善良な管理者の注意をもって行う。

成婚料を受け取る運営の一般的な書き方の例です。金額、期限、日数は個別の運営に合わせて決め、契約書面の費用欄にも同じ内容を記載します。

起きがちなこと

場面別・起きがちなこと

  • 成婚の定義が「結婚を意識した関係」など主観的な言葉で、会員が成婚料を請求された時点で「そこまでの意味とは思わなかった」と争う。
  • 成婚の申告期限と方法を決めておらず、会員が退会後に、静かに入籍していた事実が後から分かる。
  • 運営を通さない交際への違約金を成婚料と同額の定額にして、過大であるとして、消費者契約法10条や民法90条により条項の一部が使えなくなる。
  • 勧誘では「必ず結婚できる」と話し、書面には「保証しない」と書いてある。説明の内容が不実の告知として問題にされる。
  • 成婚料が特定継続的役務の対価に含まれるかどうかを整理しないまま、中途解約の精算を計算し、会員との計算が合わない。
  • 成婚の確認から退会日までの間の月会費を決めておらず、日割りか月単位かで揉める。
  • 成婚後の破談で成婚料の返還を求められ、規約に書いていないために、説明が担当者ごとにばらつく。

成婚料や違約金を請求するときの根拠と限界は、規約トラブルとよくある質問でも横断的に整理しています。連絡先交換のルールなど、会員どうしの関係に関する条項は婚活サービスの会員間トラブルと運営の責任で扱います。

よくあるご質問

成婚の定義が規約にない場合、成婚料を請求できますか。

請求の根拠が弱くなります。成婚料は契約の特約で定める報酬ですから(民法648条1項)、何をもって成婚とするのか、金額はいくらか、いつ発生するのかが契約で特定されていなければ、会員の同意の範囲が不明確になります。定義を規約と契約書面の費用欄の両方に書いておくのが基本です。

会員が成婚を隠して退会した場合、成婚料を請求できますか。

一概にはいえません。民法130条1項は、条件の成就によって不利益を受ける当事者が故意に条件の成就を妨げたときは、相手方はその条件が成就したものとみなすことができると定めています。ただ、故意の妨害といえるかは事実関係によって変わります。規約に成婚の申告義務と、虚偽の申告があったときの扱いを書いておくと、根拠を示しやすくなります。

運営を通さずに交際した会員に、成婚料相当額を違約金として請求できますか。

違約金の定めは置けます(民法420条)。ただし、契約を続けたまま違反に科す違約金は消費者契約法9条1項1号の直接の対象ではなく、過大な額は同法10条や民法90条によって効力が否定されるおそれがあります。違反を理由に契約を解除して違約金を請求する形なら、9条1項1号により平均的な損害を超える部分は無効です。成婚料と同額の定額の違約金は、実際の損害を超えて見えるため、損害の賠償と、成婚に至ったときの成婚料の請求という、二つの根拠に分けて書く方が安定します。

「成婚を保証しない」と書いておけば、「必ず結婚できる」と説明しても問題ありませんか。

問題になります。特商法44条1項は、勧誘に際し、役務の効果などについて不実のことを告げる行為を禁止しており、違反には70条1号の罰則があります。消費者契約法4条1項1号の取消しも問題になります。書面の非保証の条項と、勧誘のときの説明を揃えることが必要です。

成婚料は、中途解約のときの精算額の計算に含まれますか。

条文には、成婚料を含める、または除くという定めはありません。特定継続的役務の対価の範囲は、名目でなく実質で判断されると考えられ、所管官庁の解釈を確認する必要があります。契約書面で、成婚料が何の対価か、いつ発生するかを書き分けておくと、いずれの解釈でも対応しやすくなります。

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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、サービスの仕組みや契約の内容によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会 / 警察庁

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