このページの要点
- 指定されている役務は、施行令別表第四の7の項「結婚を希望する者への異性の紹介」で、期間は2月、金額は5万円(令24条)。
- 期間と金額は、契約で約束した内容で見る。「超える」は基準の数字そのものを含まない。
- 入会金・成婚料などの費目を金額に数える扱いは、条文の文言だけでは決まらず、所管官庁の資料で確かめる。
- コンサル・イベント・アプリに「紹介」を足すときは、助言と紹介の内容と対価を区別して書く。
結論:「異性の紹介」を約束し、期間が2月を超え、金額が5万円を超えると、特定継続的役務提供に当たる
結婚相談所の入会契約が、特定商取引法の「特定継続的役務提供」に当たるかどうかは、サービスの名前や業界の慣行ではなく、三つの条件を契約の内容に当てはめて決まります。一つ目は、提供する役務が政令で指定された役務であること。二つ目は、役務を提供する期間が、その役務について政令が定める期間を超えること。三つ目は、相手方が支払うことを約束した金銭が、政令が定める金額を超えることです。
結婚を希望する人に異性を紹介する役務は、政令で指定された七つの役務の一つです。期間の基準は「二月」、金額の基準は5万円です。この三つがそろうと、契約を結ぶ前の概要書面、契約後の契約書面、書面を受け取った日から8日間のクーリング・オフ、その後もいつでもできる中途解約と、請求できる額の上限といった規律が、法律上当然に加わります。規約に書くかどうかにかかわらず、働く規律です。
逆に、どれか一つでも欠けると、この章の規律は働きません。異性の紹介を含まない助言だけのコンサル、1回限りのイベント、期間と金額が基準以下の契約は対象外です。ただし対象外になる場合でも、消費者契約法や民法、通信販売や訪問販売の規定、景品表示法は別に働くため、規約の作り方が自由になるわけではありません。このページは、判定の順序を条文で確かめ、混ぜて売るときの判断の枠組みを整理します。
- 判定の順序は、役務の種類 → 期間 → 金額 → 適用除外の順に確かめる。
- 期間と金額は、実際に使った量ではなく、契約で約束した内容(「約し」「約する」)で見る。
- 「超える」は、基準の数字そのものを含まない。ちょうど2月、ちょうど5万円は、基準を超えていない。
- 入会金・月会費・成婚料などをどこまで「支払うことを約する金銭」に数えるかは、条文の文言だけでは決まらない。所管官庁の資料で確かめる点として、規約の作成前に残しておく。
条文の組み立て:特商法41条と施行令24条・25条、別表第四
特定商取引法41条1項1号は、特定継続的役務提供を、役務提供事業者が、特定継続的役務をそれぞれの特定継続的役務ごとに政令で定める期間を超える期間にわたって提供することを約し、相手方がこれに応じて政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約(特定継続的役務提供契約)を締結して行う特定継続的役務の提供、と定めています。そして2項は、特定継続的役務を、国民の日常生活に係る取引において有償で継続的に提供される役務であって、次の二つにいずれも該当するものとして政令で定めるもの、と定めています。
二つの要素は、身体の美化・知識や技能の向上その他の、その人の心身または身上に関する目的を実現させることをもって誘引が行われることと、役務の性質上、その目的が実現するかどうかが確実でないことです。結婚を希望する人に異性を紹介する役務は、「身上に関する目的」を掲げて誘引され、出会いが結婚に結びつくかどうかが確実でないという性質から、政令で指定されています。この二つの要素は、規約を作る運営者が自分で判定するためのものというより、政令がなぜ婚活を指定しているのかの理由として理解しておけば足ります。判定の手がかりになるのは、政令の列挙です。
判定に使う条文(e-Gov 法令API で確認したもの)
- 特商法 41条1項特定継続的役務提供契約
期間は「政令で定める期間を超える」、金額は「政令で定める金額を超える」。契約で「約し」「約する」内容で見る。
- 特商法 41条2項特定継続的役務
身体の美化・知識や技能の向上その他の心身または身上に関する目的で誘引され、目的の実現が確実でない役務のうち、政令で定めるもの。
- 施行令 24条期間と金額
期間は別表第四の第二欄の期間、金額は5万円(24条1項・2項)。
- 施行令 25条指定される役務
特定継続的役務は、別表第四の第一欄に掲げる役務(25条)。
- 施行令 別表第四 7の項結婚を希望する者への異性の紹介
期間は「二月」。中途解約の精算で使う額(通常生ずる損害の額)は「二万円又は契約残額の百分の二十に相当する額のいずれか低い額」、契約の締結及び履行のために通常要する費用の額は「三万円」。
別表第四には、エステ、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚を希望する者への異性の紹介の七つが並んでいます。他の六つの役務の要件や数字は、結婚相手紹介のものとは異なります。精算額の計算は別のページで扱います(クーリング・オフと中途解約)。
「結婚を希望する者への異性の紹介」とは何か:当たる売り方と当たらない売り方
別表第四7の項は、「結婚を希望する者への異性の紹介」とだけ書いており、仲人型、データマッチング型といった業界の分類は条文に出てきません。したがって、サービスの名前や登録の有無ではなく、契約の内容として、結婚を希望する会員に、運営者が異性を紹介することを約束しているかが、最初の判定の材料です。以下は、一般によく見られる売り方を、この観点で整理した表です。実際の当てはめは、契約書面の中身と運用で決まります。
売り方ごとの整理(一般的な整理。当てはめは契約の内容で決まる)
| 売り方 | 異性の紹介を約束しているか | 特定継続的役務提供の判定の見方 |
|---|---|---|
| 担当者が相手を探し、会員に紹介する仲人型 | 約束している | 期間が2月を超え、支払う金額が5万円を超えるなら、対象になる。紹介の回数を契約に書くかどうかは、判定を左右しない |
| 登録情報から候補を提示するデータマッチング型 | 運営者が候補を提示する仕組みなら、紹介にあたり得る | 提示が検索結果の表示にとどまるか、運営者が選んで引き合わせるのかなど、仕組みの実態を確かめる |
| 婚活の進め方を助言するだけのコンサル | 約束していない | 異性の紹介を含まなければ、別表第四7の項には当たらない。ただし「紹介」を付けると変わる |
| 単発の婚活パーティー・お見合いの場の提供 | 出会いの場の提供にとどまる | 単発で期間が基準以下なら対象外になりやすい。回数券・年間パスなど継続の仕組みを付けると、期間と金額を確認する |
| アプリで会員どうしが検索・連絡する | 運営者は場を提供するだけ | 運営者による紹介を有料で付けない限り、7の項に当たるかは慎重に確かめる。月額課金の表示は別の規定で扱う |
| アプリ会員に、有料で運営者の紹介(コンシェルジュ)を付ける | 紹介を約束している | 紹介の期間と支払総額が基準を超えるかを確認する |
表の最後の二行が示すとおり、同じアプリでも、場の提供にとどまる月額プランと、運営者の紹介を付けるプランとでは、判定が変わり得ます。プランごとに、約束している役務を切り分けて考えます。また、会員から見て、どこまでが「運営者が引き合わせる」サービスなのかは、広告の表現、申込み時の説明、契約書面の記載から読み取られます。広告で「専任の担当者が理想の相手を紹介します」と書きながら、規約では「当社は紹介を約束しない」と書くと、広告の表現が契約の内容として評価されるおそれがあります。
期間「2月を超える」と金額「5万円を超える」の数え方
条文は、期間と金額を、どちらも「超える」と書いています。基準の数字そのものは、超えたことにはなりません。また、41条1項1号は、「提供することを約し」「支払うことを約する」契約と書いており、基準を超えるかどうかは、契約の時点で、運営者が提供を約束した期間と、会員が支払うことを約束した金銭で見ることになります。実際に会員が活動した期間や、実際に支払った金額で後から見るのではありません。
基準の読み方(条文の文言から読み取れる範囲)
| 場面 | 読み方 | 注意 |
|---|---|---|
| 期間がちょうど2月の契約 | 「二月を超える期間」に当たらない | 提供開始日・終了日の書き方で期間が変わらないよう、契約書面の記載を明確にする |
| 期間が2月を少し超える契約 | 期間の要件を満たす | 1日でも超えると要件を満たす可能性がある。金額の要件とあわせて確認する |
| 支払額がちょうど5万円の契約 | 「五万円を超える金銭」に当たらない | 他の費用(オプション等)を後から加える設計だと、合計が超えることがある |
| 支払額が5万円を少し超える契約 | 金額の要件を満たす | 期間の要件とあわせて確認する |
| 自動更新で期間が延びる契約 | 更新後の期間を数えるのか、更新ごとに別の契約と見るのかは、条文の文言だけでは決まらない | 所管官庁の資料で確かめる。更新の条項を置くなら、契約書面の記載を丁寧にする |
| 入会金・月会費・成婚料などが分かれる契約 | どの費目を「支払うことを約する金銭」に数えるかは、条文の文言だけでは決まらない | 所管官庁の資料で確かめる。成婚料のように支払うかどうか未確定のものの扱いも、同様に確認する |
最後の二行は、条文だけでは答えが出ない論点です。この点は、断定的な説明がインターネット上でも見られますが、ここでは、条文の文言に書かれていることだけを書きます。41条1項は「支払うことを約する金銭」と書いていること、契約書面の記載事項を定める施行規則94条1項の表は、役務の対価その他の支払う金銭の額として、入学金、入会金、授業料その他の役務の対価、施設整備費、検定料、購入が必要な商品の価格その他の費目ごとの明細とその合計を記載するよう求めていること。この二つが、条文から確認できる事実です。費目ごとの算入の扱いは、消費者庁などの資料の原文で確かめてから、規約と書面の費用設計に反映します。
実務で現実的な対処としては、判定が微妙な設計を避けて、「当たるものとして書面とクーリング・オフを整備する」という保守的な選択があります。基準をわずかに下回る価格に設計して適用を避ける発想は、オプションや更新を後から足して合計が基準を超えたときに、書面なしで契約を結んでいた状態になり、かえって危うくなります。
判定の結果は、頭の中で済ませず、メモとして残しておくことを勧めます。サービスのプランごとに、①約束している役務の内容(紹介を含むか)、②提供を約束する期間、③会員が支払うことを約束した金銭の費目と合計、④その結果、基準を超えるか、という四つを書き出し、判断の根拠となった条文を添えます。プランを追加したり、料金を改定したり、更新の仕組みを変えたりするたびに、このメモを見直します。判定のメモがあれば、書面を整える範囲を決めるときも、後から会員に説明するときも、拠り所になります。
次の条項の例は、契約書面や規約の側で、判定に関わる事項(役務の内容、期間、対価)を特定しておくための書き方です。役務を特定し、期間を日付で特定し、対価を費目ごとに特定する、という三点を、契約の冒頭近くに置きます。
書き方の例役務の内容・期間・対価の特定
- 当社が会員に提供する役務は、次のとおりとします。(1)異性の紹介(紹介の方法、紹介する人数の上限) (2)担当者による助言(回数、時間) (3)その他、契約書面に記載する役務
- 前項の役務の提供期間は、○年○月○日から○年○月○日までとします。
- 会員が当社に支払う金銭は、入会金、月会費、その他契約書面に記載する費用とし、その名目ごとの額、合計額、支払の時期及び方法は、契約書面に記載します。
- 前三項に記載のない役務や費用について、当社は、会員の同意を得ずに追加して請求しません。
日付や人数、金額は事業に合わせて決めます。ここでの目的は、判定の要素である役務・期間・金額を、契約の内容として一か所で特定することです。
申込みの受け方も、あわせて確かめます。特定継続的役務提供の規律は、契約がどのような経緯で結ばれたかにかかわらず働きますが、契約の勧誘や申込みの受け方によっては、訪問販売(営業所等以外の場所で申込みを受ける場合のほか、営業所等で特定顧客から申込みを受ける場合を含みます)、通信販売、電話勧誘販売の規定も重なります(特商法2条1項〜3項)。街頭やイベント会場で声をかけて営業所に誘引する、電話で勧誘して申込みを書面で受ける、ウェブ画面で申込みを受ける、といった集客の方法を変えるたびに、どの類型の規定が重なるかを確かめます。類型ごとの詳しい規律は、このガイドでは扱わず、重なり得るという入口だけを押さえます。
混ぜて売るときの注意:コンサル、イベント、アプリに「紹介」を足す場面
実際の婚活サービスは、一つの型で売られるとは限りません。コンサルの契約に「期間中に数名の相手を紹介する」特典を付ける、イベントの年間パスに運営者の個別紹介を付ける、アプリの有料プランに専任の担当者を付ける、といった組み合わせがあります。このように役務が混ざったとき、判定は、混ざった全体で一つの契約として見るのか、役務ごとに分けて見るのかという論点に行き着きます。条文には明示がないため、判断は契約の中身に左右されますが、整えるべき方向は、次のとおりです。
書き方の例(一般的な例) 混ぜて売るときの書き方
コンサルに紹介を付ける
理由「約束しない」と書きながら紹介を行うと、契約の内容の説明が一貫しない。紹介を含むなら、含むものとして対価と内容を区別して書く
料金の表示
理由契約書面の記載事項(費目ごとの明細とその合計)に合わせた形にしておくと、後の書面作成が楽になる
期間の書き方
理由期間は判定の要件であり、書面の記載事項(役務の提供期間)でもある。「目安」は曖昧さを生む
適用除外と、当たった場合に加わる義務の全体像
特商法50条1項は、この章の規定を適用しない特定継続的役務提供を列挙しています。1号は、特定継続的役務提供受領者等が営業のために、または営業として締結する契約です。婚活の会員が個人として結婚相手を探す契約は、ここには入りません。婚活事業者が、他の事業者に自社の会員の紹介を提供する契約や、事業の一環として相手を探す契約のような、会員が営業のために契約する場面でのみ、この除外が問題になります。2号は本邦外に在る者に対する提供、3号は国や地方公共団体が行う提供、4号は特別の法律に基づく組合などがその構成員に行う提供、5号は事業者がその従業者に対して行う提供です。
50条2項は、第49条2項、4項、6項(精算額の上限に関する項)の規定は、特定継続的役務または関連商品を割賦販売により提供し、または販売するものについては適用しない、と定めています。つまり、割賦販売による契約では、精算額の上限に関するこれらの項は適用されません。クレジットや分割払いを使う設計の入口は、費用のページで扱います(入会金・月会費・お見合い料・成婚料の定め方と表示)。割賦販売法施行令の別表にも、結婚を希望する者を対象とした異性の紹介が掲げられています(別表第一の二の8号、別表第一の三の9号)。
特定継続的役務提供に当たる場合、運営者には、次のような義務が加わります。ここでは全体像を押さえ、各項目の詳しい中身は、書面のページ、費用のページ、解約のページに任せます。
特定継続的役務提供に当たる契約の流れと、時点ごとの義務
- 広告・勧誘誇大広告の禁止(法43条)。役務の内容・効果や対価、期間、解除に関する事項などについて、不実のことを告げる行為、故意に事実を告げない行為、威迫して困惑させる行為の禁止(法44条)。
- 契約を締結するまで契約の概要を記載した書面(概要書面)を交付する(法42条1項)。記載事項は施行規則92条。
- 契約を締結したとき契約の内容を明らかにする書面(契約書面)を遅滞なく交付する(法42条2項)。記載事項は施行規則93条・94条。
- 契約書面を受け取った日から8日間書面または電磁的記録により、クーリング・オフができる(法48条1項)。損害賠償や違約金は請求できない(同条4項)。
- 8日経過後将来に向かって、いつでも中途解約ができる(法49条1項)。請求できる額には上限がある(同条2項)。
- 前払取引(5万円を超える金銭を役務に先立って受領)業務及び財産の状況を記載した書類を事務所に備え置き、相手方の閲覧等の求めに応じる(法45条、施行令27条)。
これらに反する特約で会員に不利なものは無効とされます(法48条8項、49条7項)。44条違反には罰則の定めがあります(法70条1号)。
概要書面と契約書面の記載事項と渡し方は、別のページで詳しく扱います(概要書面・契約書面と書類の備付け)。クーリング・オフと中途解約の計算は解約と精算額のページで扱います。広告の表示と費用の見せ方は、成婚率などの広告表示と入会金・月会費の定め方と表示で確かめます。
「5万円を超える金銭」という基準は、前払取引の書類の備付けの要件(施行令27条)にも出てきます。この基準は、特定継続的役務提供の金額の基準(施行令24条2項)と同じ5万円ですが、別の条文です。前者は「役務に先立ってその相手方から」受領する金銭の額、後者は契約で支払うことを約した金銭の額を基準にしており、同じ数字でも見る対象が違います。一つの契約で、前払取引にも該当しない、特定継続的役務提供だけに該当する、という場面も起こり得ます。
確認の問いと理由判定を始める前に自分に聞く問い
会員に対して、運営者が異性を紹介することを約束しているか。
「結婚を希望する者への異性の紹介」を含む契約は、別表第四7の項に当たる可能性がある。助言だけなら当たらない。広告や申込み時の説明も、約束の中身として見られる。
提供を約束している期間は、2月を超えるか。
期間は契約の時点の約束で見る。ちょうど2月は超えていない。更新の条項があるなら、その扱いも整理する。
会員が支払うことを約束している金額の合計は、5万円を超えるか。
入会金・月会費・オプション・成婚料などを含めた設計を、費目ごとに書き出す。どの費目を数えるかは、所管官庁の資料で確かめる。
契約の相手方は、個人として結婚相手を探す人か。
営業のために、または営業として契約する者は適用除外(法50条1項1号)。婚活の会員は個人であることが通常である。
異性の紹介のほかに、同じ契約で売っているものは何か。
助言、イベント、物販、写真撮影など。契約の全体で見るのか、役務ごとに見るのかを整理し、費目を区別して書く。
起きがちなこと
場面別・該当性の判定で起きがちなこと
- 名前で判断する:「結婚相談所ではなく婚活コーチングだから対象外」と考えても、契約の内容に相手の紹介が含まれていれば、判定の対象になる。
- 基準の直下に価格を置く:基準を下回るように設計しても、オプションの追加や更新で合計が基準を超え、書面を交付していない契約が生じることがある。
- 費目の扱いを断定する:入会金や成婚料を金額に含めるか否かを、確かめないまま断定して、書面とクーリング・オフを整備しない設計になりやすい。
- プランごとの切り分けがない:同じアプリのプランの中に、場の提供だけのものと、運営者の紹介を付けたものが混在し、規約と書面が一つに統合されていることがある。
- 広告が先に約束を作る:広告で「紹介します」と書き、規約では「紹介を約束しない」と書いていると、契約の内容が判別できない。
- 連盟のひな形の数字を鵜呑みにする:ひな形に書かれた精算額や期間が、自社の契約の実態や法定の数字とずれていることがある。
よくあるご質問
結婚相談所の契約は、必ず特定継続的役務提供になりますか。
必ずではありません。「結婚を希望する者への異性の紹介」を約束し、提供する期間が2月を超え、会員が支払うことを約束した金銭が5万円を超える場合に当たります。助言だけのコンサル、単発のイベント、期間と金額が基準以下の契約は当たりません。条文は、基準を「超える」と書いているため、ちょうど2月、ちょうど5万円は含まれません(特定商取引法41条1項、施行令24条)。
入会金や成婚料は、5万円に含めて数えるのですか。
条文は「支払うことを約する金銭」と書いており、費目ごとの扱いまでは書いていません。契約書面の記載事項の定め(施行規則94条1項)は、入会金などの費目ごとの明細とその合計を書くよう求めています。成婚料のように、支払うかどうかが後の事情で決まる費用の扱いは、条文の文言だけでは決まらないため、所管官庁の資料の原文で確かめる必要があります。確認できるまでは、断定せず、保守的に書面を整備する方向で設計するのが現実的です。
婚活コンサルに「相手の紹介」を特典で付けると、どうなりますか。
紹介を契約の内容に含めるなら、異性の紹介を約束する契約として判定の対象になり得ます。「紹介は約束しない」と書きながら実際には紹介を行うと、契約の説明が一貫しません。紹介を含むなら、助言と紹介の内容、期間、対価を区別して書き、期間と金額が基準を超えるかを確認します。
会員が営業のために契約するときは、どうなりますか。
特定商取引法50条1項1号により、特定継続的役務提供受領者等が営業のために、または営業として締結する契約には、この章の規定は適用されません。個人が結婚相手を探す契約は、通常ここには入りません。営業の目的があるかどうかは、契約の実態で判断することになり、事業者が「営業用」と書いただけで除外されるものではありません。
特定継続的役務提供に当たると、規約に何を加えればよいですか。
規約だけでなく、書面の整備が必要です。契約前の概要書面、契約後の契約書面、8日間のクーリング・オフ、その後の中途解約と精算額の上限、関連商品がある場合の扱い、前払取引の書類の備付けです。会員に不利で、これらに反する特約は無効とされます(特定商取引法48条8項、49条7項)。規約には、これらの規律を下回らない形で、手続と精算の方法を書きます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、サービスの仕組みや契約の内容によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会 / 警察庁