このページの要点
- 費用の名目ごとに、対価の内容、発生と支払の時期、返らない場合を書き分け、契約書面の費目ごとの明細に対応させる。
- 月額と同じ場所に契約期間と総額を示し、別途かかる費用の名目と額も広告の段階から示す(特商法43条、規則103条、景表法5条)。
- 自動更新は更新前の通知と申出の手続を決め、期間・金額の判定への影響も確かめる。
- 値上げや規約の変更は、民法548条の4に沿って、効力発生時期を定め、会員に周知する。
結論:費用は「何の対価か」で名目を分け、総額と期間を一度で見える形にして、更新と値上げの手順まで決めておく
結婚相談所や婚活サービスの費用は、入会金、登録料、月会費、活動費、お見合い料、成婚料、オプション料金と、名目が多岐にわたります。名目が多いこと自体は問題ではありません。トラブルになるのは、名目ごとに何の対価なのかが書き分けられていないとき、総額と期間が会員に見える形で示されていないとき、更新や値上げの手順が決まっていないときです。
費用の条項は、会員規約の中でも、会員が最もよく読み、争いになったときに最初に参照される部分です。ここで食い違いがあると、返金や解約の話に進む前の段階で、「聞いていた金額と違う」という不信が生まれます。費用の条項は、広告の表示、申込書の記載、契約書面の対価の欄(特定継続的役務提供に当たる場合)、規約の本文の四か所で一致していることが基本になります。
このページは、費用の名目の書き分け、総額と期間の示し方、自動更新とオプション、値上げと内容変更の手続、分割払いやクレジットを使う場合の入口を、条文に沿って整理します。消費者向けの価格の示し方としては、消費税を含む総額で表示することを確認します(消費税法63条。免税事業者を除く)。成婚料の定義と請求の設計は成婚と成婚料・成婚退会の定め方、解約時の精算はクーリング・オフと中途解約で扱います。
- 費用の名目ごとに、何の対価か、いつ発生し、いつ支払い、どの場合に返らないのかを書き分ける。
- 「月額は安いが総額は高い」という見せ方は避け、契約期間と総額を同じ場所に示す。
- 自動更新、期間の延長、オプションの追加は、特定継続的役務提供の期間・金額の判定に影響し得る。
- 値上げや内容変更は、定型約款の変更の規定(民法548条の4)に沿って、効力発生時期の設定と周知を行う。
費用の名目と、何の対価かの書き分け
費用の名目を並べるときは、名前を並べるだけでなく、それぞれが運営者の「何」に対する対価なのかを書きます。会員が「入会金は入会したら戻らないのか」「お見合い料は紹介が成立しなくても払うのか」と疑問を持つのは、名目の意味が書かれていないからです。次の表は、よく見られる名目を、対価の内容と書き方の観点で整理したものです。金額は各サービスで決まるので、ここでは扱いません。
費用の名目ごとの整理(一般的な整理)
| 名目 | 対価の内容(例) | 書き分けのポイント |
|---|---|---|
| 入会金・登録料 | 入会手続、初期のカウンセリング、プロフィール作成などの初期費用 | 何に使う費用かを書く。退会時に返らない場合は、その理由(初期の役務を提供済みであること)も添える |
| 月会費 | 毎月の紹介、システムの利用、担当者のサポートの対価 | 月額に含まれる役務の範囲(紹介の人数、面談の回数)を書く。月の途中の入会・退会の日割の扱いを決める |
| 活動費・システム利用料 | 相手の検索、申込み、メッセージの機能の利用 | 月会費と重なっていないか確認する。別名目にする理由があるか |
| お見合い料 | お見合いの設定、場所の手配、立会い | 成立したときだけか、設定のたびかを明確にする。キャンセルの扱いも決める |
| 成婚料 | 交際が成婚に至ったときの対価 | 成婚の定義と請求の時期を決める。未確定の費用なので、書面に条件を明記する |
| オプション | 写真撮影、プロフィールの添削、追加の紹介など | 基本契約とは別の対価として、申込みの方法、期間、解約の扱いを決める |
| 事務手数料・決済手数料 | 手続や決済にかかる費用 | 会員が負担する理由と、負担する額の根拠を明確にする |
特定継続的役務提供に当たる契約では、契約書面の「役務の対価その他の役務の提供を受ける者が支払わなければならない金銭の額」について、入学金、入会金、授業料その他の役務の対価、施設整備費、検定料、購入が必要な商品の価格その他の費目ごとの明細とその合計を記載するよう、施行規則94条1項の表が定めています。つまり、規約に書いた名目の整理が、そのまま書面の記載の骨格になります。名目が曖昧なまま規約を作ると、書面を作るときに、費目ごとの明細に落とし込めず、作り直しになります。
入会金の書き方でよく見られるのは、「入会金は理由の如何を問わず返金しない」というまとめ書きです。ここで問題になるのは、一律に返金しないという規約の定めが、特定継続的役務提供に当たる場合の中途解約の規定(法49条)や、クーリング・オフの規定(法48条)と矛盾しないかです。クーリング・オフの期間内に解除された場合、運営者は、すでに役務が提供されていても、対価その他の金銭の支払を請求できず(法48条6項)、関連して受領した金銭は速やかに返還する必要があります(同条7項)。これらに反する会員に不利な特約は無効です(同条8項)。入会金の不返還条項の扱いは、解約のページで整理します。
書き方の例(一般的な例) 費用の名目の書き方
名目と対価
理由料金表に委ねるだけだと、名目の意味が会員に伝わらない。書面の費目ごとの明細に対応させやすくなる
返金
理由法令が決めている返還・精算を下回る不返還の定めは、その部分が無効になり得る。例外を書く形にして、解約の条項に接続する
総額と期間の示し方:誇大広告・有利誤認にならない表示
「月額○円から」「入会金0円」といった表示は、会員の目を引きます。しかし、月額が安くても、契約期間が長く、別途オプションや成婚料が必要であれば、総額は高くなります。「月額は安い」と見せて、総額や期間を目立たない場所に置く表示は、誇大広告や不当表示として問題になるおそれがあります。
費用の表示に関わる条文(e-Gov 法令API で確認したもの)
- 特商法 43条誇大広告等の禁止
特定継続的役務提供の提供条件について広告をするときは、役務の内容や効果その他の主務省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、または実際のものよりも著しく優良もしくは有利であると人を誤認させる表示をしてはならない。
- 施行規則 103条広告で問題になる事項
役務の種類・内容、役務の効果、国・著名な法人等の関与、役務の対価、支払の時期・方法、提供期間、契約の解除に関する事項、事業者の氏名・名称・住所・電話番号、会員が負担する他の金銭の名目と額、など。
- 景表法 5条1号・2号優良誤認・有利誤認
品質・内容について実際より著しく優良と示す表示(1号)、価格その他の取引条件について実際のものよりも著しく有利と一般消費者に誤認される表示(2号)で、不当に顧客を誘引するもの。
- 消費者契約法 10条消費者の利益を一方的に害する条項
消費者の不作為をもって新たな契約の申込み・承諾の意思表示をしたものとみなす条項など、消費者の権利を制限し義務を加重する条項で、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効。
施行規則103条9号は、役務の対価・権利の販売価格以外に会員が負担すべき金銭があるときは、その名目と額を広告の対象事項に挙げています。月額以外の費用の表示を、広告の段階から行う根拠になります。
広告の表示で整えるべき基本は、次の三点です。第一に、契約期間と総額を、月額と同じ場所に示す。「月額○円(12か月契約、総額○円、いずれも税込)」のように、期間と総額を並べて書くと、会員が条件を比較しやすくなります。第二に、別途かかる費用(入会金、成婚料、オプション、事務手数料)の名目と額を、広告の段階から示す。「月額のみ」と書いて、後から成婚料が発生する設計は、表示と契約内容のずれを生みます。第三に、割引や無料の条件を明示する。「入会金無料」が、一定期間の継続を条件としているなら、その条件を近くに書きます。
会員向けに価格を示すときは、消費税を含む総額を表示します(消費税法63条。免税事業者を除く)。税抜価格を併記する場合も、総額が明瞭に分かるようにします。広告、申込書、契約書面、規約で、税込と税抜の表示が食い違っていると、それだけで「聞いていた金額と違う」という不信が生まれます。
同じ費用を表示する四か所の照合表
| 表示の場所 | 見る点 | 食い違いやすい点 |
|---|---|---|
| 広告(サイト・チラシ・SNS) | 月額、契約期間、総額、別途の費用の名目と額、割引の条件、消費税を含む総額 | 月額だけを大きく示し、期間と総額が見つけにくい |
| 入会申込書・申込み画面 | 選んだプランの期間、費用の名目ごとの額、支払の方法、更新の有無 | 広告の割引が適用されない条件が、画面では分からない |
| 契約書面(特定継続的役務提供に当たる場合) | 費目ごとの明細とその合計、支払の時期と方法、提供期間 | 概要書面の概算額と確定額の差が説明されていない |
| 会員規約 | 費用の発生と支払の時期、返金の有無、更新・値上げ・変更の手続 | 返金しない旨の定めが、解約の条項と矛盾する |
費用の定めでもう一つ決めておくのが、月の途中の入会・退会、休会、お見合いのキャンセルの扱いです。月会費は、月の初日から末日までを単位とするのか、入会日から起算する応当日を単位とするのかで、最初の月と最後の月の日割の有無が変わります。休会中は月会費を止めるのか、休会費を取るのか、休会の期間に上限を置くのか、休会中の紹介はどうするのかも、費用の条項と休会の条項で同じ内容にします。
お見合い料のように、設定のたびに発生する費用では、キャンセルの扱いが問題になります。会員が直前に取りやめたとき、相手方の都合で取りやめになったとき、運営者の手配の不備で成立しなかったときの三つで、費用を請求するのか、次回に繰り越すのか、返すのかを分けておきます。会員の都合でのキャンセルに費用を残す定めを置くなら、キャンセルの時期ごとの取扱いを書き、請求する額が実際にかかった費用の範囲を大きく超えないようにします。消費者契約法9条1項1号は、解除に伴う損害賠償の額の予定や違約金の額が、解除の事由、時期等の区分に応じ、同種の消費者契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるときは、その超える部分を無効とします。
自動更新・期間の延長・オプションの追加:判定への影響と会員への示し方
期間の定めのある契約では、満了時に自動更新とするか、会員の申出で更新とするかを決めます。自動更新は、運営者にとって収益が安定する反面、会員が更新を意識していないまま費用が続く事態を招きます。会員の沈黙をもって新たな契約の申込みまたは承諾をしたとみなす条項は、消費者契約法10条が例として挙げる、消費者の利益を一方的に害する条項になり得ます(10条前段)。自動更新を置くなら、更新前に会員に通知し、更新を望まない場合の手続と期限を明示する運用が、条項の有効性を支えます。
更新や延長は、特定継続的役務提供の判定にも関わります。契約の当初の期間が2月以内、支払額が5万円以下でも、更新の結果、全体で期間が2月を超え、支払総額が5万円を超えるなら、判定の対象になり得ます。更新後の期間と金額をどのように数えるかは、条文の文言だけでは決まらず、所管官庁の資料で確かめる必要があります(結婚相談所は特定継続的役務提供に当たるか)。更新の仕組みを置くなら、契約書面にも更新の条件を記載するなど、書面と規約の記載を揃えます。
オプションの追加も、同じ観点で整理します。基本契約を結んだ後に、写真撮影やプロフィールの添削、追加の紹介といったオプションを申し込んだ場合、それが基本契約と一体の役務なのか、別の契約なのかによって、書面の交付の要否や、クーリング・オフの起算点が変わり得ます。オプションの申込みの方法(ウェブか書面か)、費用の名目、解約の扱いを、基本契約とは別に決めておきます。
書き方の例自動更新の条項
- 本契約の期間は、入会日から○か月とします。
- 当社は、期間満了日の○日前までに、会員に対し、更新の有無、更新後の期間及び費用を通知します。
- 会員が期間満了日までに更新しない旨を申し出たときは、本契約は期間満了日をもって終了します。申出がないときは、更新後の期間及び費用で更新されるものとします。
- 更新後の契約の内容を記載した書面を、更新後遅滞なく会員に交付します。
更新の通知の時期と手段、申出の方法、更新後に書面を交付するかどうかは、サービスの形に合わせて決めます。通知は電子メールのほか、会員がログインする画面への表示と併用すると、到達の確認がしやすくなります。
値上げ・内容変更:定型約款の変更の手続
運営を続けるうちに、月会費の改定、サービスの内容の変更、規約の改定が必要になる場面があります。会員規約が定型約款に当たる場合、民法548条の4が、変更の要件と手続を定めています。変更ができるのは、①変更が相手方の一般の利益に適合するとき、②変更が契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、この条の規定により変更することがある旨の定めの有無とその内容その他の事情に照らして合理的なときの、いずれかです(1項)。
規約・費用を変更するときの手順(民法548条の4)
- 変更の根拠を確認する変更が会員の一般の利益に適合するか、契約の目的に反せず合理的か。会員規約に変更することがある旨の定めがあるかを確かめる(1項)。
- 効力発生時期を定める変更の効力が生じる日を、あらかじめ決める(2項)。
- 周知する規約を変更する旨、変更後の内容、効力発生時期を、インターネットの利用その他の適切な方法により周知する(2項)。
- 周知の時期を守る2号(合理性)による変更は、効力発生時期が到来するまでに周知をしなければ、効力を生じない(3項)。
- 個別の同意が要る場合を区別する費用の大幅な値上げや、契約の目的を変える内容の変更は、1項の要件を満たさないおそれがある。個別の同意を得る方法も検討する。
民法548条の2第2項(不当条項)は、変更については適用されません(548条の4第4項)。ただし、変更の合理性は2号の要件として審査されます。
値上げの通知は、会員に見える形で行う必要があります。規約のウェブページを更新しただけでは、周知として十分と言えない場面もあります。会員がログインする画面への表示、登録メールアドレスへの通知を併用し、通知の日付を記録します。特に、すでに前払いを受けている期間について、値上げの効力をどう扱うかを決めておきます。前払い済みの期間は旧料金で提供する、と定めておくのが整理しやすい設計です。
分割払い・クレジットを使う場合の入口
高額の入会費用を分割で支払えるようにする設計は、会員の負担を軽くする一方、運営者の側に、書面や表示の義務を加えます。割賦販売法施行令の別表には、結婚を希望する者を対象とした異性の紹介を受ける権利(別表第一の二の8号)、結婚を希望する者を対象とした異性の紹介(別表第一の三の9号)が掲げられています。クレジットカード会社や信販会社のあっせんを使う場合と、運営者自身が分割払いを受け付ける場合とでは、適用される規定が異なります。
特定継続的役務提供の書面では、ローン提携販売、包括信用購入あっせん、個別信用購入あっせんの方法で役務を提供する場合に、運営者に対して生じている事由をもって、会員がローン提供業者等に対抗できることを概要書面と契約書面に記載する、と施行規則92条1項1号リ、93条2項5号が定めています。つまり、クレジットを使う設計では、書面にこの記載を加える必要があります。また、法50条2項は、役務を割賦販売により提供する場合に、法49条2項、4項、6項の規定を適用しないとしており、精算の考え方に関わります。
割賦販売法の側では、ローン提携販売は29条の4第2項(30条の4の準用)、包括信用購入あっせんは30条の4、個別信用購入あっせんは35条の3の19が、購入者または役務の提供を受ける者が、運営者に対して生じている事由をもって、支払の請求をする業者に対抗できると定めています。これらに反する特約で購入者等に不利なものは無効です(30条の4第2項、35条の3の19第2項)。運営者自身が分割払いを受け付ける設計にするときは、割賦販売法の適用の有無を、役務の内容と支払の仕組みから条文で確かめてから、書面と規約に反映します。規約に書く分割払いの条項で、実務でよく見られるのは、支払期日に遅れたときに残額を一括で請求できる旨(期限の利益の喪失)の定めです。この条項を置くなら、遅れた場合の通知と催告の手順、遅延損害金の扱いを併せて書き、会員に不意打ちとならないようにします。
費用の条項を作る前に自分に聞く問い
確認の問いと理由作る前に確かめる問いと理由
料金表の名目は、契約書面の費目ごとの明細に、そのまま書き写せるか。
契約書面の対価欄は、費目ごとの明細とその合計を求める(施行規則94条1項の表)。名目が混ざっていると、書面が作れない。
広告に書く金額には、別途かかる費用の名目と額が並んでいるか。
施行規則103条9号は、他に会員が負担する金銭の名目と額を、広告の事項に挙げている。
期間と総額は、月額と同じ場所に示されているか。
月額だけが目立つ表示は、有利誤認と見られるおそれがある(景表法5条2号、特商法43条)。
自動更新を置くなら、更新前の通知と、更新しない手続は決まっているか。
会員の沈黙で新たな契約を成立させる条項は、消費者契約法10条の対象になり得る。
値上げや規約の変更を、どの方法で、いつまでに周知するか。
周知が効力発生時期までに行われなければ、合理性による変更は効力を生じない(民法548条の4第3項)。
分割払い・クレジットを使うなら、書面に必要な記載を入れたか。
ローン提携販売、包括・個別信用購入あっせんの場合の記載が、概要書面・契約書面で求められる(規則92条1項1号リ、93条2項5号)。
起きがちなこと
場面別・費用の定めと表示で起きがちなこと
- 月額だけが目立つ広告:期間と総額が小さな文字で、別途の費用が申込みの最後の画面で初めて出る。
- 名目の重複:月会費と活動費、システム利用料の対価が重なり、会員にどれが何の費用か説明できない。
- 成婚料の条件が書面にない:広告では「成婚料なし」、規約では「成婚料あり」で、契約の内容が判別できない。
- 自動更新の通知がない:満了の通知なしに更新され、会員が気づかないまま費用が続く。
- 値上げをウェブの更新だけで済ませる:規約のページを更新したのみで、会員への通知の記録がなく、周知した事実を証明できない。
- 総額表示がそろわない:広告は税込の総額、申込書は税抜の額だけ、契約書面は記載なしで、金額が一致しない。
よくあるご質問
入会金は「返金しない」と書いても有効ですか。
一律に返金しないと書いても、法令が決めている返還や精算を下回る部分は有効とは言えません(特定商取引法48条8項、49条7項)。費用の名目を書き分けるときは、「法令に定めがある場合を除き」と例外を書き、解約の条項に接続する形が整理しやすい書き方です。返還と精算の中身は、クーリング・オフと中途解約のページで整理しています。
「月額○円から」という広告は問題ですか。
月額の表示自体が問題になるのではなく、契約期間や総額、別途かかる費用が示されないまま月額だけが目立つ表示が、誇大広告や有利誤認になるおそれがあります(特定商取引法43条、景品表示法5条2号)。月額と並べて契約期間と総額を示し、別途の費用の名目と額も広告の段階で示すと、表示と契約内容のずれを防ぎやすくなります。
自動更新にしてよいですか。
自動更新自体は禁止されていませんが、会員の沈黙をもって新たな契約の申込みまたは承諾をしたとみなす条項は、消費者契約法10条の対象になり得ます。更新前の通知の時期と方法、更新しない旨の申出の方法と期限を明示し、更新後の契約の内容を会員に示す運用を整えると、条項の有効性を支えやすくなります。更新の結果、期間と金額が特定継続的役務提供の基準を超えるかどうかも、確認が必要です。
料金を値上げするには、会員全員の同意が必要ですか。
会員規約が定型約款に当たる場合、民法548条の4により、変更が会員の一般の利益に適合するとき、または契約の目的に反せず合理的なときは、個別の同意なしに変更できます。ただし、効力発生時期を定め、変更する旨と変更後の内容、効力発生時期をインターネットの利用その他の適切な方法で周知する必要があります。合理性による変更は、効力発生時期までに周知しなければ効力を生じません(同条3項)。大幅な値上げは、合理性が認められないおそれがあるので、個別の同意を得る方法も検討します。
分割払いやクレジットを使うと、書面に何を加えますか。
ローン提携販売、包括信用購入あっせん、個別信用購入あっせんの方法で役務を提供する場合には、運営者に対して生じている事由をもって、会員がローン提供業者等に対抗できることを、概要書面と契約書面に記載します(特定商取引法施行規則92条1項1号リ、93条2項5号)。対抗できる事由の中身は、割賦販売法の29条の4第2項、30条の4、35条の3の19の定めに沿って、書面と規約に反映します。
あわせて読みたいページ
本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、サービスの仕組みや契約の内容によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会 / 警察庁