結婚相談所・婚活サービスの規約と書類:型ごとの約束と、法律の入口と書類の地図

婚活サービスの規約は、運営者が会員に何を約束するのかによって、必要な書類も当たる法律も変わります。条文の文面を整える前に、サービスの型を決め、法律の入口を確かめ、書類の地図を描きます。

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型の名前だけで規約のひな形を選ぶと、約束の中身と規約の内容がずれ、広告の表現とも食い違います。

このページの要点

  • サービスの型は、仲人・カウンセラー型、データマッチング型、パーティー・イベント型、アプリ型、婚活コンサル型に大別して考える。
  • 「結婚を希望する者への異性の紹介」は特定継続的役務の一つで、期間2月超・金額5万円超の契約で書面とクーリング・オフ等の規律が加わる。
  • 契約の成立の時点を決め、入会申込書・会員規約・概要書面・契約書面・プライバシーポリシーの優先関係を書く。
  • 本部や連盟のひな形は、契約の当事者欄や数字、紹介の数え方が自社の実態と一致しているかを確かめて使う。

結論:サービスの型を決め、当たる法律の入口を確かめてから、書類の地図を描く

結婚相談所や婚活サービスの規約を作るとき、いきなり条文の文面から書き始めると、たいてい途中で行き詰まります。入会金や月会費の書き方を考えているうちに「そもそもこの契約は書面の交付が必要なのか」という疑問が出て、会員の情報の扱いを書いているうちに「相手の会員に見せる範囲は誰がどう決めるのか」という疑問が出て、話があちこちに広がるからです。

行き詰まりを避ける順序は、次の三つです。第一に、自分のサービスがどの型なのかを決める。第二に、その型にどの法律が当たり得るかの入口を確かめる。第三に、必要な書類の一覧と優先関係を描く。条文の文面を整えるのは、そのあとです。このページは、この三つを一通り見渡すための入口です。個々の論点は、ページの末尾に並べた各ページで条文に沿って確かめます。

契約書作成の実務の経験をもとに言えば、婚活サービスの規約で起きがちな不具合の多くは、条文の言い回しではなく、この順序の飛ばしから生まれます。たとえば、異性の紹介を約束する契約なのに、申込書の署名欄だけで契約を成立させる書き方になっていたり、運営者が約束していない「成婚の保証」を広告が約束しているように読めたり、会員規約とプライバシーポリシーと同意書で、相手に見せる情報の範囲の書き方が食い違っていたりします。

  • 型は、仲人・カウンセラー型、データマッチング型、パーティー・イベント型、アプリ型、婚活コンサル型の五つに大別して考えると整理しやすい。一つのサービスが複数の型を組み合わせていることも多い。
  • 「結婚を希望する者への異性の紹介」は、特定商取引法が定める特定継続的役務の一つとして政令に挙げられている。期間が2か月を超え、支払う金額が5万円を超える契約では、書面の交付、クーリング・オフ、中途解約などの規律が加わる。
  • アプリや会員サイトで、面識のない異性との交際を希望する人の情報を公衆が閲覧できる状態に置く形のサービスは、インターネット異性紹介事業の定義に当たるかどうかの確認が必要になる。
  • 書類は、入会申込書・会員規約・概要書面・契約書面・プライバシーポリシー・同意書・誓約書・通信販売の表示に分かれる。どの書類が何を決めるのかを先に決め、食い違ったときの優先関係も書く。

婚活サービスの五つの型と、運営者が約束する中身の違い

「結婚相談所」という言葉は広く使われますが、運営者が会員に何を約束するのかは、型によってかなり違います。約束の中身が違えば、規約に書くべきことも、当たる法律も違ってきます。次の表は、一般によく見られる型を、運営者が約束する中身という観点で並べたものです。実際のサービスは、これらを組み合わせていることが多いので、「どれか一つ」ではなく「どの要素をどの程度含むか」で見てください。

婚活サービスの型ごとの違い(一般的な整理)

型運営者が約束する中身規約で特に決めること
仲人・カウンセラー型担当者が会員の希望を聞き、相手を探し、紹介し、交際の進め方を助言する。紹介の人数や助言の回数を約束することが多い紹介の回数・人数の数え方、担当者の変更、活動の休止、成婚の定義、成婚料、中途解約の精算
データマッチング型会員の登録情報を基に、相手の候補を提示する。運営者が個別に選ぶのではなく、検索や自動の提示が中心になる提示する候補の範囲、申込みの上限、相手に見せる情報、連絡先交換の手順、システムの停止時の扱い
パーティー・イベント型単発の出会いの場を提供する。参加者どうしの交際の成立までは約束しない参加条件、取消料、当日の事故と迷惑行為、撮影と連絡先交換、共催の責任分担
アプリ型インターネット上で会員が互いの情報を見て、メッセージを送り合える場を提供する。月額課金が多い年齢確認と本人確認、禁止事項と削除、月額の表示と自動更新、運営者が責任を負わない範囲の限界
婚活コンサル型婚活の進め方、プロフィールの作り方、会話の仕方などを助言する。異性の紹介を含まないことが前提助言の範囲、結果を保証しない定め、返金の基準、「紹介」を混ぜたときに契約の性質が変わること

表の中で、最も注意が必要なのは境目です。コンサル型のつもりで売っているのに、実際には運営者が相手の候補を紹介する要素が入っている場合、契約の性質は「異性の紹介」を含むものとして見られる可能性があります。逆に、紹介を伴う仲人型でも、契約期間と支払総額が条文の数字を下回れば、特定継続的役務提供の規律の対象にはなりません。どちらも、サービスの名前ではなく、契約で何を約束し、いつまでの期間、いくらを支払う約束なのかで決まります。この判定は、別のページで順序立てて確かめます(結婚相談所は特定継続的役務提供に当たるか)。

型によって当たる法律の入口が変わる:三つの入口を押さえる

婚活サービスに関係する法律は多数ありますが、運営者が最初に確かめるべき「入口」は三つに絞れます。入口を通ったあとの細かい規律は、各ページに任せ、ここでは「どの入口を確かめるべきか」だけを押さえます。

婚活サービスで最初に確かめる三つの入口(条文を確認したもの)

  • 特商法 41条
    特定継続的役務提供

    役務提供事業者が、政令で定める期間を超える期間にわたって特定継続的役務を提供することを約し、相手方が政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約が対象(1項1号)。特定継続的役務は、政令で定めるものに限られる(2項)。

  • 施行令 24条・25条、別表第四
    期間と金額と役務の範囲

    期間は別表第四の第二欄、金額は5万円(24条)。役務は別表第四の第一欄に掲げるもの(25条)。7の項に「結婚を希望する者への異性の紹介」があり、期間は2月。

  • 特商法 2条
    申込みの受け方による類型

    営業所等以外の場所で申込みを受ける訪問販売(1項)、郵便等で申込みを受ける通信販売(2項)、電話での勧誘から申込みを受ける電話勧誘販売(3項)。婚活サービスも、申込みの受け方によっては、これらの規定が重なり得る。

  • インターネット異性紹介事業の規制法 2条2号・7条
    インターネット異性紹介事業

    面識のない異性との交際を希望する者の求めに応じ、その情報を公衆が閲覧できる状態に置いて伝達し、相互に連絡できるようにする役務の事業。該当するなら、公安委員会への届出(7条)が必要。

この表は入口の整理です。入口を通ったときに何が加わるかは、各ページで条文に沿って確かめます。結婚を目的とするサービスが2条2号の「面識のない異性との交際」に当たるかどうかは、サービスの仕組みという事実によって決まります。

三つの入口は、互いに排他的ではありません。たとえば、アプリで会員を募り、有料で運営者による紹介を付けるサービスは、第三の入口(インターネット異性紹介事業)と、第一の入口(特定継続的役務提供)の両方を確かめる必要があります。申込みをウェブ画面で受けるなら、通信販売の広告・申込み画面の表示の規定(特商法11条、12条の6)も関わります。入口が複数にまたがるサービスほど、書類の優先関係を決めておかないと、後から矛盾が出ます。

また、結婚相談所の連盟や本部が定めるルール、事業者団体の自主基準は、法律ではなく、運営者の判断で採用する取り決めです。それらを規約に取り込む場合は、取り込む範囲と、法律の定めを下回らないこと(たとえば、法定の精算額の上限を超えて請求できると読めないこと)を確かめます。

契約はいつ、どのように成立するのか:入口の書き方を決める

規約の最初の論点は、「契約がいつ成立するのか」です。民法522条は、契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(申込み)に対して相手方が承諾をしたときに成立すると定め、成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しないとしています(1項・2項)。つまり、署名や押印がなくても、申込みと承諾があれば契約は成立し得ます。

多くの会員制サービスの規約では、成立の時点が、「入会申込書の提出」「運営者の承認」「入会金の入金」「サービスの利用開始」など、書類ごとにまちまちです。申込書では「承認の通知をもって成立」と書き、会員規約では「入金をもって成立」と書き、ウェブの申込み画面では「送信で成立」と読める、という食い違いも見られます。成立の時点が曖昧だと、入金前にキャンセルされたとき、審査で入会を断ったとき、規約を変更したときに、何を根拠にどちらがどう動けるのかが決まりません。

特定継続的役務提供に当たるサービスでは、これに加えて、契約を締結するまでに概要書面を渡し(法42条1項)、契約を締結したときは遅滞なく契約書面を渡す(同条2項)という順序が、条文で決まっています。つまり、「申込み→承認→入金→契約書面の交付→サービス開始」という流れを、書類ごとに矛盾なく書く必要があります。この順序の書き方は、書面を扱うページで詳しく見ます(概要書面・契約書面と書類の備付け)。

書き方の例(一般的な例) 成立の時点の書き方

契約の成立

よくある書き方会員は、入会申込書を提出し、入会金を納入した時点で、本規約に同意したものとみなします。
整えた書き方入会の申込みは、当社が所定の審査を行い、承諾する旨を会員に通知した時に成立します。成立後、契約書面を交付します。入会金の納入は、成立後の義務とします。

理由申込みの承諾と入金を切り分けると、審査で断った場合や入金前のキャンセルの扱いが整理できる。契約書面の交付の時点とも対応させやすい。

規約への同意

よくある書き方サービスを利用した場合は、本規約の全ての条項に同意したものとみなします。
整えた書き方会員は、入会の申込みの前に、本規約の内容を確認できる状態に置かれ、申込みの際に同意の意思表示を行います。

理由利用開始で同意を推定する書き方は、利用の前に内容を確かめる機会がなかったと言われやすい。申込みの前に示す書き方にする。

書類の地図:何を、どの書類に書くか

婚活サービスの書類は、一つの規約にすべてを詰め込もうとすると破綻します。会員が読むべきもの、法律で渡す時期と記載事項が決まっているもの、運営者の内部の運用を定めるものは、読む人も、改定の頻度も、法的な意味も違うからです。次の表は、一般的な書類の分担を整理したものです。

書類の地図(一般的な整理)

書類主な役割特に注意すること
入会申込書会員が入会の意思を示し、基本情報、希望する契約内容、費用を確認する契約の種類・期間・金額の欄と、規約への同意の欄を分ける。書面の内容を十分に読むべき旨の表示(概要書面の側)との整合
会員規約契約の中身(サービス、費用、期間、解約、会員の義務、禁止事項、運営者の責任)を定める定型約款に当たる場合が多い(民法548条の2)。法律が決めている事項(クーリング・オフ、精算額の上限)を下回らない
概要書面特定継続的役務提供に当たる契約で、契約を締結するまでに渡す書面(法42条1項)記載事項は施行規則92条で決まっている。赤枠の中に赤字で、書面の内容を十分に読むべき旨を記載する(同条2項)
契約書面契約を締結したときに遅滞なく渡す書面(法42条2項)記載事項は施行規則93条・94条。クーリング・オフ等の記載は赤枠・赤字。文字は8ポイント以上
プライバシーポリシー・同意書会員の情報の取得、利用、第三者への提供、保存、開示への対応を定める相手に見せる範囲を、会員規約・プロフィール画面・同意書で食い違わせない
誓約書独身であること、虚偽がないこと、反社会的勢力でないこと等を会員が誓約する規約の資格条項と同じ内容を別に書いて、食い違わせない。誓約のみで足りるか、書類で確認するかを決める
通信販売の表示ウェブで申込みを受ける場合の広告と申込み画面の表示(法11条、12条の6)費用の総額、支払時期、解約の条件を、画面と書類で一致させる

会員規約は、運営者が不特定多数の会員を相手に画一的な内容で契約を結ぶ前提で準備されることが多く、その場合は、民法の定型約款の規定が関わります。定型取引合意をした者は、定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき、または準備した者があらかじめその旨を相手方に表示していたときは、個別の条項についても合意をしたものとみなされます(民法548条の2第1項)。ただし、相手方の権利を制限し、または義務を加重する条項で、信義則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものは、合意をしなかったものとみなされます(同条2項)。

また、準備した者は、定型取引合意の前、または合意の後相当の期間内に相手方から請求があった場合には、遅滞なく、相当な方法でその内容を示さなければなりません(民法548条の3第1項)。後から規約を変更するときは、変更が相手方の一般の利益に適合するとき、または契約の目的に反せず合理的なときに限られ、効力発生時期を定めて周知する必要があります(民法548条の4)。変更の手続は、費用の表示のページで具体的に扱います(入会金・月会費・お見合い料・成婚料の定め方と表示)。

書類が複数になると、優先関係の問題が生じやすくなります。たとえば、申込書に「期間12か月」と書いてあり、会員規約には「期間は6か月ごとの自動更新」とあり、ウェブの料金表には「月額」としか書いていない、ということが現実にあります。この場合、どれが契約の内容なのかが争いになります。優先関係の条項に「個別に合意した書面(契約書面)の内容が、会員規約に優先する」と書いておくことは有効ですが、条項を置いて安心するのではなく、書類相互の記載の食い違いを事前に洗い出す作業を欠かさないことが前提です。

書き方の例書類相互の優先関係

  1. 本契約の内容は、入会申込書、契約書面、本規約及び会員に別途交付した書面によって構成します。
  2. 前項の書面の内容が相互に異なるときは、会員に個別に交付した契約書面、入会申込書、本規約の順に優先して適用します。
  3. 当社は、会員が本契約を締結するまでに、前二項の書面の内容を確認できる状態に置きます。

優先関係の条項は、書類の食い違いを発見した後の整理の道具です。食い違いそのものをなくす点検を、書類を作る側の仕事として先に行います。

運営主体、加盟店、連盟、提携先の関係を整理する

結婚相談所には、本部と加盟店の関係、連盟への加入、システムを提供する事業者との提携など、複数の主体が関わる形が珍しくありません。会員から見て、誰と契約し、誰に費用を払い、誰に苦情を言えばよいのかが分からない状態は、トラブルの大きな原因になります。

特定継続的役務提供に当たる場合、役務提供事業者という言葉は、契約の当事者として役務を提供する事業者を指します。概要書面と契約書面には、役務提供事業者の氏名または名称、住所、電話番号、法人にあっては代表者の氏名を書くことが、施行規則92条1項1号イ、93条2項1号で求められています。加盟店が自分の名義で会員と契約するなら、加盟店が役務提供事業者です。本部の名義の規約をそのまま流用して、契約の当事者の欄に本部の名前だけが残っていると、書面の記載として不十分になるおそれがあります。

連盟や本部が定めたひな形をそのまま使うときも、ひな形は一般的な内容であり、自社のサービスの実態とずれていることがあります。ずれやすいのは、紹介の回数の数え方、休会の扱い、成婚料の発生条件、提携の相手先への情報提供、使用するシステムの名称です。ひな形に書いてあることと、実際の運用が一致しているかを、一つずつ確かめます。

確認の問いと理由運営主体と提携先について、規約を作る前に自分に聞く問い

  1. 会員と契約を結ぶ当事者は誰か。本部か、加盟店か、別の会社か。

    書面に書く役務提供事業者と、費用の振込先、苦情の窓口の名義が同じ主体であるかを確かめる必要がある。

  2. 費用を受け取る口座の名義人は、契約の当事者と同じか。

    名義が異なると、前払いを受けた主体が誰なのか、中途解約の返金を誰が行うのかが不明になる。

  3. 会員の情報を、本部・提携先・システム提供者と共有するか。

    共有の範囲と利用目的を、プライバシーポリシーと同意書に書き、プロフィールの見せ方と一致させる必要がある。

  4. 連盟や本部が決めたルールを、会員にも約束するか。

    運営者内部の決まりと、会員に対する約束は別である。会員に約束するなら、規約に書く。

このガイドの読み順:自分の型に合わせてページを選ぶ

最後に、このガイドの各ページが、書類のどの部分に対応しているかを整理します。全部を通読する必要はなく、自分のサービスの型と、いま困っている場面に合わせて選んで構いません。

起きがちなこと

場面別・書類の全体像で起きがちなこと

  • 型の名前だけで規約を選ぶ:「結婚相談所の規約ひな形」を取り入れても、実際の約束が紹介を伴わないコンサル型であることがある(逆の場合もある)。約束の中身と規約の内容がずれ、広告の表現と規約の表現が食い違う。
  • 書類を増やして満足する:申込書、規約、同意書、誓約書が並んでいても、成立の時点、費用、会員情報の見せ方の記載が書類ごとに違い、どれが契約の内容なのか決められないことがある。
  • 書面の交付が抜ける:期間と金額が条文の数字を超える契約なのに、概要書面と契約書面を渡す段取りがなく、申込みフォームの送信だけで契約を成立させる設計になりやすい。
  • 本部のひな形の当事者欄が残る:加盟店が自分の名義で契約するのに、書面の事業者欄が本部の名義のままになっていることがある。
  • 相手に見せる範囲の食い違い:プロフィール画面で見せる項目が、プライバシーポリシーに書いた範囲より広くなる。
  • 広告が約束を先に作る:「成婚を保証」「必ず出会える」といった広告が、規約の「結果を保証しない」と矛盾する。

よくあるご質問

結婚相談所の規約は、一つの書類にまとめてもよいですか。

一つにまとめることも書き方としては可能ですが、実際には分けたほうが整理しやすい書類群です。入会申込書は会員が契約内容と費用を確認する書面、会員規約は契約の中身を定める定型約款、概要書面と契約書面は法律で渡す時期と記載事項が決まっている書面、プライバシーポリシーは情報の扱いを説明する書面で、読む人も改定の頻度も違います。特定継続的役務提供に当たる契約では、概要書面は契約を締結するまでに、契約書面は契約を締結したときに遅滞なく渡す必要があり(特定商取引法42条1項・2項)、会員規約の一部に紛れ込ませる形では、記載事項の確認も交付の記録も難しくなります。

仲人型とデータマッチング型で、規約の書き方はどう変わりますか。

仲人型は、担当者が相手を探して紹介し、助言も行うため、紹介の人数や回数の数え方、担当者の変更、成婚の定義、成婚料、活動の休止といった点が中心になります。データマッチング型は、システムが候補を提示するため、提示の範囲、申込みの上限、相手に見せる情報、システム停止の扱いが中心になります。どちらの型でも、「結婚を希望する者への異性の紹介」を内容として、期間が2か月を超え、金額が5万円を超える契約を結ぶなら、特定継続的役務提供の判定を確かめる必要があります。

本部のひな形をそのまま使ってはいけませんか。

そのまま使えるかどうかは、ひな形の内容と、自社のサービスの実態が一致しているかで決まります。ひな形は一般的な内容であり、契約の当事者の欄、紹介の回数の数え方、休会の扱い、成婚料の発生条件、使用するシステムなどが、自社と異なることがあります。また、ひな形の費用や解約の条項が、法律の決めている精算額の上限を下回らないか、概要書面・契約書面の記載事項を満たしているかも、あわせて確かめる必要があります。

婚活アプリを運営する場合、まず何を確かめればよいですか。

三つあります。第一に、会員が互いの情報を見られる仕組みが、インターネット異性紹介事業の定義(面識のない異性との交際を希望する者の情報を公衆が閲覧できる状態に置き、相互に連絡できるようにする役務)に当たるかどうか。第二に、運営者による紹介を有料で付けるなど、異性の紹介を約束する要素があるか、あるなら期間と金額が条文の数字を超えるか。第三に、月額課金や自動更新の申込み画面の表示です。結婚を目的とするサービスが第一の定義に当たるかどうかは事実で決まるため、仕組みを条文に当てはめて確かめます。

書類の優先関係は、規約のどこに書けばよいですか。

会員規約の冒頭近くに、契約を構成する書類を列挙し、内容が異なるときの優先順位を書くのが一般的です。たとえば、会員に個別に交付した契約書面、入会申込書、会員規約の順に優先する、と定めます。ただし、優先関係の条項は食い違いが見つかった後の整理の道具であり、書類相互の記載の食い違いを事前になくす点検が先です。優先関係を定めても、法律が決めている事項(クーリング・オフや精算額の上限など)を下回る内容を有効にする効果はありません。

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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、サービスの仕組みや契約の内容によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会 / 警察庁

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